ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアシリーズ2017 第2戦ブリーラム レースレポート

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2017年05月30日 07:02  AUTOSPORT web

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チェッカー後、レース1トップ3がストレート上に並ぶ
スリルあふれるスーパートロフェオ・タイ戦初日ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットで開幕

【2017年5月20日、バンコク(タイ)】
 昨年に引き続き、タイが誇るブリーラムのチャーン・インターナショナル・サーキットにシングルメイクシリーズが帰ってきました。2017年ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアシリーズの第2戦が本日開幕しました。

 スーパートロフェオは世界各地で全4シリーズを開催し、選手たちにスリル溢れるレースの舞台を提供しています。

 アジア大陸各地を代表するサーキットで開催されるアジアシリーズは、地元のみならずヨーロッパや中東のチームを惹きつけ、刺激的なレースへの参加を熱望するチームが後を絶ちません。

 FIAおよびFIMよりトップグレード認定を受け、ランボルギーニ・スクアドラ・コルセの世界的な水準を満たすタイのブリーラム・インターナショナル・サーキットは、まさに理想的な舞台と言えるでしょう。

 鮮やかなカラーリングの車両が勢揃いすると、ゲストや観衆らは息を呑みました。さらに、ランボルギーニ・ウラカン・スーパートロフェオがグリッドに着くと、会場は大いに盛り上がりました。

 予選セッションが行われた午前から午後にかけて気温が上昇するなか、現地時間午後1時40分に第1レースがスタート。レース中盤に路面温度は最高の55度に達し、湿度は60%前半から50%半ばまで低下しました。

 フォーメーション・ラップが終わると、いよいよレース本番。PROクラス参戦の#11ケイ・コッツォリーノ(クラッツィオ・レーシング)がグリッド先頭でスタートし、猛烈なペースで2番手のリック・ブリューカーズ(GDLレーシング)を2秒差で引き離します。

 そのすぐ後方から猛追するのが、3番手に着けたオーストラリア人ドライバー、ベン・ゲルセコウスキー(ライパート)と4番手のアルトゥール・ヤノス(ラザルス・レーシング・チーム)。

 後方を走るAMクラスでも激しい火花が散り、3周目でスティーブン・ホン(JRM)がドユン・ワン(X-ワン・レーシング)に順位を譲る一幕がありました。

 一方、PRO-AMクラスのライバルたちより、はるか後方からのスタートとなったミコ・エスケリネン(ライパート)は1周目で順位を2つ下げるも奮起し、ホンとワンを追いかけます。

 その後もワンはエスケリネンへのプレッシャーを緩めることなく、レース前半、両者は互いにぴたりとくっついたまま、共に6周目で地元AMドライバーのボビー・サッティラックをパスし、それぞれ8位と9位に順位を上げます。

 闘いの前線では、9周目に入ったケイがブリューカーズとの間隔を8秒に広げて独走状態に。

 12周目でピットレーンがオープンし、ドライバー交替を告げると、PRO-AMチームのFFFレーシングとライパートは早めのドライバー交替を選択。一方、X-ワン・レーシングも午前におこなわれた2回の予選セッションで好調だったアンドリュー・ハリャントに交替しました。

 一方、ケイは、2番手との9秒差の間隔をさらに1秒広げ首位を走り、14周でピットイン。全車両がピット作業とドライバー交替を終えると、クラス首位争いは、さらに熾烈を極めます。

 各チームが順位を下げるなか唯一ピットインの恩恵を被ったのが、ドライバーをアフィク・ヤジドに交替したGDLレーシングでした。戦略が功を奏し、先頭のクラッツィオ・レーシングとわずか5秒差の2番手に浮上。

 また、PROドライバーであるトビー・ソエリー(ラザルス)とローリー・コリングボーン(ライパート)は、数周かけてAMドライバー、ナイジェル・ファーマー(GDLレーシング)を猛追し、20周目には総合4位にまで追い落とします。

 22周目には、マックス・エベナル(ライパート)が地元ドライバー、サラヴット・セレーソラナクル(P.S.C.モータースポーツ)を抜かし、23周目には、その後ろにハリャント(X-ワン・レーシング)が滑り込み、AMクラスのトップに躍り出ます。

 レース終盤の5分間には、白熱した戦いが繰り広げられ、スパチャイ・ウェーラボールウォーンポンはスピンして一時的にイエローフラッグを受けるも速やかに態勢を立て直し、ガブリエル・ムローニが序盤の大差に助けられ、ランボルギーニ・カップ・クラスの首位を守り切りました。

 残り1周で、首位はヤジド。その後を2番手のソエリーが追う展開に。その後は10秒の差で3番手のコリングボーン、さらに4番手にはPRO-AM部門トップのファーマーが続きます。

 しかし、共にFFFレーシングに所属する5位のアルマーン・エブラヒムと6位のスパイク・ゴッダードが、ファーマーを猛追。

 クラス優勝に王手をかけたファーマーは数コーナーにわたりPROクラスのエブラヒムの攻撃をかわすも、最終周、第3コーナーのヘアピンカーブでエブラヒムがラストスパートをかけると、あっけなく4位を譲り渡しました。

 ゴッダードは、最終セクションを通じてファーマーの駆るウラカンを猛追し、ターン12で減速したファーマーを颯爽とパスして総合5位、PRO-AMクラストップの座を獲得しました。

 最終的には独走状態のヤジドが先頭でゴールラインを切り、2位のソエリー、3位のコリングボーンとともにPROクラスの表彰台登壇を決めました。

 一方、PRO-AMクラスを制したのはFFFレーシング(シュライナー/ゴッダード)。次いでGDLレーシング(ファーマー/ブリューカー)が2位、ライパート(エスケリネン/エネバル)が3位に終わりました。

 地元タイのドライバーもホームサーキットで大健闘し、AMクラス首位をX-ワン・レーシング(ハリャント/フワン)、2位をPSCモータースポーツに所属する地元のセレーソラナクル兄弟、3位をトゥルー・ヴィジョン・モータースポーツ(TrueVisionMotorsport)のタイ人ドライバー、ボビー・サッティラックが獲得しています。

 ランボルギーニ・カップ・クラスでは、タイで大人気のウェーラボールウォーンポン(トップ・スピード・レーシング)が首位、イタリア人ドライバー、ムローニ(ペトリ・コルセ)が2位でレースを終えています。

 2017年のアジアシリーズでは、各地を代表するサーキットを舞台に合計6週間にわたって12レースを開催予定。セパンでのシリーズ開幕戦を皮切りに、第5戦目までアジア屈指のサーキットをめぐって参ります。

 7月は鈴鹿サーキット、8月は富士スピードウェイ、9月には中国の上海インターナショナル・サーキットを訪れます。

 シーズンの最後を締めくくる第6戦目の最終2ラウンドは、11月にアウトモビリ・ランボルギーニの故郷でもあるイタリア、ボローニャ地方、イモラのアウトドローモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリで開催予定です。

 同サーキットでは、最終決戦となるワールドファイナルもおこなわれ、スーパートロフェオのアジア、ヨーロッパ、北米シリーズの覇者たちが世界トップの座を賭けて争います。

2017年ランボルギーニ・スーパートロフェオ第2レースタイのチャーン・インターナショナル・サーキットで熾烈な闘い

【2017年5月21日、バンコク(タイ)】
 前日に繰り広げられたレースの興奮も冷めやらぬなか、ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットでランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアシリーズ、タイ戦の第2レースがスタート。選手らは、表彰台と勝ち点をめぐる争いに臨み、2日にわたるレースウィークエンドは幕を下ろしました。

 2017年ランボルギーニ・スーパートロフェオが2年連続で開催されたブリーラムのチャーン・インターナショナル・サーキットは、その長い弧を描くコーナーと観戦しやすいレイアウトにより人気を集めています。

 日曜日のレースには多くの観客が詰めかけ、サーキットではランボルギーニ・ウラカンGT3が出場するブランパン・アジアGTシリーズをはじめ他のイベントも同時開催されました。

 午前11時20分のレーススタートの時点で路面温度が50度なかば、ピーク時には56度という過酷なレースコンディションのなか、多くのドライバーが高温となったコックピットへの対応に苦戦を強いられました。

 メカニックがリアウィングの最終調整をおこない、ストレートに最適な空力と鋭角コーナー時のグリップのバランスを整えると、グリッドに車両が整列。

 グリッド上に車両がフォーメーションを組み、信号が緑に替わると、早くも第1コーナーで有利なポジションで切ろうと、接戦を繰り広げました。

 コーナーの中盤に差し掛かった地点で、トビー・ソエリー(ラザルス・レーシング・チーム)とアンドリュー・ハリャント(X-ワン・レーシング)が接触し、ソエリーがスピンし、ジョージ・シュー(トップ・スピード・レーシング)が巻き込まれることに。

 両者はレースの棄権を余儀なくされ、ソエリーはサーキットに足止めされました。その後、セーフティーカーが導入され、ソエリーの車両撤去作業が終了すると、レースは再開されました。

 4周目には、マックス・エベナル(ライパート)が6位から10位に転落。後方を走るハオ・ビアン(JRM)は、ガブリエル・ムローニ(ペトリ・コルセ)にプレッシャーをかけ、両者は11位をめぐって熾烈なサイド・バイ・サイドを繰り広げます。

 5周目に入ると、アフィク・ヤジド(クラッツィオ・レーシング)が首位ポジションを利用し、2番手に着けたアルマーン・エブラヒム(FFFレーシング)を大きく引き離します。

 一方、イギリス人ドライバー、ローリー・コリングボーン(ライパート)は、5周目でビアンがピットインした隙を突いてハリャントをパス。

 6周目には、11番手でスタートしたナイジェル・ファーマー(GDLレーシング)が、序盤でペースアップし、6位に急浮上するも、ターン3でファーマーがインサイドパスを狙った瞬間、5位を争うハリャントとエイペックスで接触。スピンしたファーマーは、大きな後れを取る展開に。

 この結果、ファーマーの不運に好機を得たP.S.C.モータースポーツの地元ドライバー、サラヴット・セレーソラナクルとトゥルー・ヴィジョン・モータースポーツのボビー・サッティラックが順位を上げました。

 10周目、PROクラスおよび総合トップのヤジドは2位のエブラヒムとの差を10.5秒に広げ、次ぐFFFレーシングのスパイク・ゴッダードが総合3位でPRO-AMクラス首位、ライパートのコリングボーンが4位、ハリャントが5位でAMクラス首位に着けました。

 12周目にピットウインドウがオープンするやと、コリングボーン、セレーソラナクル、ファーマーがピットレーン入りし、早期にピットインおよびドライバー交替を完了する戦略に打って出ます。

ピットストップとドライバー交替が続けられるなか、最後にピットインしたのはゴッダード(FFFレーシング)でした。ゴッダードは、ギリギリまで粘ってピットウインドウのクローズ直前にピットイン。

 僅差ながらもPRO-AMクラスのライバルたちをリードした状態でチームメイトの若きドイツ人ドライバー、キャリー・シュライナーにドライビングシートを交替しました。

 PROクラスに出場したジャック・バーソロミュー(FFFレーシング)は、18周目の最終ターンでチームメイトのシュライナーをパスし、さらなるプレッシャーをかけます。一方、シュライナーの後を追うリック・ブリューカーズは周回ごとに1、2秒ずつ差を縮めていき、ついに24周目でシュライナーをパス。

 ターン1での好調な走りとターン3までの長きにわたるサイド・バイ・サイドのドラッグに好機を得たブリューカーズは、順調なペースでエイペックスを抜け、ヘアピンのインサイドラインで減速していたシュライナーを抜き去りました。

 50分間にわたるレースも、いよいよ最終カウントダウンへ。この時点で、ケイ・コッツォーリーノ(クラッツィオ・レーシング)がベン・ゲルセコウスキー(ライパート)を25秒の大差でリード。

 チームメイトであるヤジドの健闘もありクラス首位に立ちました。PROクラス3位には、FFFレーシングのバーソロミューとエブラヒムが入りました。

 PRO-AMクラスを制したのはGDLレーシング(ファーマー/ブリューカーズ)。2位にFFFレーシング(シュライナー/ゴッダード)、3位にライパート(エスケリネン/エベナル)が入りました。

 AMクラスでは地元の英雄、セレーソラナクル兄弟を擁するPSCモータースポーツが首位を獲得し、X-ワン・レーシング(ハリャント/ワン)が2位、こちらもタイ出身のサッティラックを擁するトゥルー・ヴィジョン・モータースポーツが手堅い走りで3位に入賞しています。

 また、ランボルギーニ・カップ・クラスでは、タイで人気の高いスパチャイ・ウェーラボールウォーンポン(トップ・スピード・レーシング)がふたたび勝利を収め、次いでペトリ・コルセ所属のイタリア人ドライバー、ムローニが2位に入りました。


 2017年ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアシリーズの4レースを終えた現段階で、PROクラスの断トツ首位は、初めの2ラウンドで最多ポイントを獲得したケイ/ヤジド(クラッツィオ・レーシング)。

 一方、PRO-AMクラスの首位はブリューカーズ/ファーマー(GDLレーシング)。AMクラスでは、最多ポイントを獲得したハリャント(X-ワン・レーシング)がトップに君臨しています。

 ランボルギーニ・カップの暫定首位は、ウェーラボールウォーンポンです。これまでのところ完璧なパフォーマンスでチーム総合得点トップを誇るのは、クラッツィオ・レーシング。次いでGDLレーシングが2位、ラザルスが3位につけています。

 チームならびにドライバーたちは、すでに2017年シリーズの次なる開催地、鈴鹿サーキットに目を向けています。

ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアシリーズ2017レースカレンダー
セパン(マレーシア) 4月8〜9日
ブリーラム(タイ) 5月20〜21日
鈴鹿(日本) 6月24〜25日
富士(日本) 8月19〜20日
上海(中国) 9月23〜24日
イモラ(イタリア)11月16〜17日

ワールドファイナル
イモラ(イタリア) 11月18〜19日

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