このところ、かつてに較べて体型が変化したと話題の浜崎あゆみさん。あるメディアでは「女子レスラー化」という表現まで飛び出した。女性の体形についてあれこれ言うのは本意ではないが、浜崎さんと同じ福岡県出身の編集者が「気になって仕方ないっちゃん…」というので渋々筆をとってみた。彼女がブレイクした2000年前後、僕は高校生。そのムーブメントはけっこう鮮やかに記憶に残っている。
■「劣化じゃなくて成熟です」
『SEASONS』はカラオケで女の子たちの定番ソングだったし、メイクの流行りもそれまでの安室奈美恵さん風……いわゆる“アムラー”から“あゆ風”へと急速に移り変わっていった。男連中のあいだでも浜崎さんのような色白小顔でぱっちりした大きな目の女の子ばかりが評判になっていたっけ。
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そんな具合に社会にあゆ旋風を巻き起こした彼女ももう38歳。そりゃあ体型が変わっても仕方ないよなと思う。
10代、20代の方にはなかなかわかりにくいかもしれないが、歳を過ぎると急速に代謝は悪くなる。顔周り、腕やお腹に肉がつきやすくなり、むくみも出やすくなる。痩せればいいかと言えば、それはそれで目の周辺が落ちくぼみ、ほおがこけて貧乏臭くなる。そんな逆境の中で芸能人としてのイメージや美しさを維持するのはかなり至難の業なのだ。
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今回の記事を書くにあたり、浜崎さんの近影をいくつかチェックさせていただいた。彼女の場合、体型が変化したといってもけっして野放図に太っているわけではない。Twitterによるとトレーニングは日常的に欠かさないようだし最近はピラティスにも凝って非常に健康的な生活を送っておられるようだ。
マドンナや長渕剛さん、西川貴教さんの変化にも似ている気がするが、あえて言うなら“たくましくなった”という表現がふさわしいだろうか。年をとったら、トレーニングしながら若い頃より少し体重を増やすのは健康と美容を維持する上でひとつの正攻法なのかもしれない。
日本では女性の美についてどうも“少女信仰”めいたものがあり、30歳を過ぎた女性について魅力を語ろうもんならすぐに「熟女フェチだ」と揶揄される。しかし美の絶対基準を10代やハタチそこらに置くのは21世紀の高齢化社会に生きる者としていかがなものだろうか。じきに世の中、美人なんていなくなるゼ……。今こそ偏見を捨て、勇気を出して30オーバー女性の美を評価しなくてはいけない時期だと僕は確信する。
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なぜ僕がこのテーマでこうも熱く力説しなければいけないのかよくわからなくなってきたので、最後にPRプランナーで、業界では熱烈な“あゆウォッチャー”として知られる八尾里美さんのお言葉をいただいて締めくくりたいと思う。
PR会社、株式会社ラプレに勤務する八尾里美さん。業界では熱烈な“あゆウォッチャー”として知られる…らしい。http://www.raple.co.jp/
いくつになってもムッチムチになっても、あゆはあゆ! 永遠の憧れです。劣化したとか言われていますが、劣化じゃなくて、成熟です。お人形のようなあゆもよかったですけど、今の貫禄あるあゆも、人間味があって良いです。体型もカバーすることなく、あれだけ堂々と出てきたらもうあっぱれですよ。これからもカッコよく生きて、女の生きざまのお手本になってくれると思います。