『東洋経済ONLINE』が「トリバゴの意外な正体」に迫る記事を掲載していた。
Amazonに楽天にヤフオクに、てるみくらぶに……と、ネット上で商品やサービスと金銭のやりとりをする行為に慣れているcitrus読者には釈迦に説法的なおせっかいなんだろうが、一応簡単に説明しておくと、
ホテルや旅館宿泊などに関する情報を流すサイトを複数束ね、そこに貯められた在庫データにアクセスして、一気にサーチするメタサーチエンジンを有する旅行サイト
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のことである……らしい。では、「メタサーチエンジン」とは……ってとこまで説明すると、それはもうウィキペディアあたりを丸写しするだけになってしまうので、あとは皆さんの検索能力におまかせしますm(_ _)m。私はネットでショッピングしたり旅行ツアーを予約したりする行為がめっぽう苦手なので、「メタ」であろうが「サブ」であろうが「セカンド」であろうが、正直どーだっていい。
現につい最近、慣れないくせに「てるみくらぶ」を使ってみたら、案の定(?)倒産しちゃって旅行はドタキャン。クレジットカードで支払った10万少々を取り戻すのに散々苦労した(※このルポルタージュは別媒体でいずれ公開する予定)苦い体験を味わって以来、ますますネット不信に陥っているのが今の私であった。
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ってなわけで、私がむしろ気になっているのは、このトリバゴのCMに出演しているパツキンのねえちゃんである。やたら日本語が流暢だ。いや、「流暢」どころじゃない。下手な日本人、ギャルやら国会でつるし上げを食らっている政治家なんか以上に立派な日本語を淀みなく使いこなしている。最初はアフレコかと疑っていた。でも、どうやらそうではないとのこと。正体は、ナタリー・エモンズという名の女優兼シンガー兼写真家兼脚本家で、出身はカリフォルニア州。年齢は31歳。
学生時代、日本の友人の影響で日本に興味を持ちはじめ、さらにジブリ映画のテーマ曲に感銘を受けたのが日本語で歌を歌うきっかけとなった……のだそう。大阪ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのシンガー・ダンサー・MCとして日本で活動を始め、数々の歌番組にも出演しているのだという。たったそれだけの動機と経歴だけであそこまで達者に外国語が習得できるのか!? じゃあ、すでに何十年も日本を本拠地としているはずのデイブ・スペクターのいまだにたどたどしい日本語はなんなんだ、とツッコミさえ入れたくなってくる。まあ、これもデイブ流の一種の戦略なのかもしれないが……? どんな戦略なのかは知らないけど。
15年ほど前、当時一緒に仕事をしていた某女子が「私のカレシ〜」と、いきなり事務所に身長2メートル近くの、まるで岩みたいな黒人を連れてきたことがある。私があわてて「ナイストゥ〜ミーチュ〜」と右手を差し出すと、その岩みたいな黒人は「いつも○○(←某女子の名字)がお世話になっております」とペコリお辞儀をしてきたので、思わずひっくりかえってしまった。「日本語お上手ですね」とお世辞抜きの賛辞を伝えたら、「オレ、英語はほとんどしゃべれないんすよ〜」と「ですよ」の「で」を抜いてフランクに語りかけてきたので、またのけぞった。日本生まれの日本育ちで、学校も普通の公立校に通っていたんだとか。そりゃあ、日本語も普通に上手くなるだろうし、英語も苦手にだってなるだろう。
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……とは言え、パツキンの青い眼だとか黒人だとか、日本人とはもっとも縁遠い外見のヒトが発する流暢な日本語ほど強烈なインパクトを与えるギャップはない。そして「インパクトが強烈」ということは、すなわちそれは「CMにもベスト」だということなのである。