朝ドラ『わろてんか』第一週の見どころは? 千葉雄大、新井美羽らの魅力を読む

1

2017年10月02日 06:02  リアルサウンド

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

写真

 本日10月2日より、NHKの連続テレビ小説第97作目『わろてんか』の放送が始まる。本作は、明治から昭和初期の大阪を舞台に、笑いをビジネスにした日本で初めての女性「吉本興業」の創業者・吉本せいをモデルとした藤岡てんの一代記を描く“愛と笑い”の朝ドラだ。


 タイトルの『わろてんか』とは、笑って下さい、笑ってほしいの意味を持つ関西弁。朝ドラ前作『ひよっこ』は、登場人物全員に幸せが訪れる大団円で幕を閉じたが、最終週のタイトルが「グッバイ、ナミダクン」だったように、幾つもの“涙”が描かれたドラマでもあった。対して、笑いをテーマにした本ドラマにはどんな魅力があるのか。一足早く視聴した第1週放送分から、注目ポイントを紹介したい。


■新井美羽の天真爛漫さ


 主人公・藤岡てんを演じるのは、映画『サバイバルファミリー』『逆光の頃』などで高い演技力を見せた若手女優・葵わかな。だが、第一週の主役となるのはてんの幼少期を演じる新井美羽だ。幼少期のてんは、一度スイッチが入ったら笑うことを止めることができない笑い上戸な女の子。笑いは伝染していくというが、ケラケラと無邪気に笑う新井の姿には、観ているこちらまで笑顔にする不思議な魅力がある。


 てんはその行き過ぎた笑いがきっかけで薬問屋を営む父・儀兵衛(遠藤憲一)の商談を失敗させてしまい、「笑い禁止」を父から言い渡される。大好きな笑いを我慢し、自らの失敗を取り返すべく父のために奮闘するてん。新井の底抜けに明るい笑顔の演技があるからこそ、第1週の山場となる家族和解のシーンではそのギャップに思わず涙してしまった。てんに付き添う丁稚・武井風太を演じる鈴木福のひょうきんな演技も愛らしく、コミカルに動き回るふたりの姿に、朝から笑顔になってしまう視聴者もきっと多いはずだ。


■優しくて素敵な兄・千葉雄大


 てんの兄・新一を演じるのは、本作が朝ドラ初出演となる千葉雄大。メガネ姿の落ち着いた佇まいに、映画『帝一の國』で演じた森園億人を思い浮かべる方も少なくないはず。実際、森園同様に本作の新一も秀才キャラで、父の通訳代わりとしてドイツ語を披露するシーンもある。


 幼少期から喘息持ちで病弱でありながらも、己の信念を全うする強さも持ち合わせている新一。千葉はこれまでも“優男”を度々演じてきたが、どちらかと言えば歳上から好かれる“弟”キャラが多かったように思う。が、本作の新一はこれぞ“理想のお兄ちゃん”とも言えるほどのはまり役となっている。包み込まれるような柔らかさを感じる、京都弁のセリフもにも注目してほしい。


■てんを巡る3人の男たち


 成長したてんを支える3人の男たちが、松坂桃李演じる北村藤吉、濱田岳演じる武井風太、高橋一生演じる伊能栞だ。それぞれ初恋相手、幼馴染、縁談相手とキャラクターも三者三様。すでに夫となるのは藤吉と発表されているが、そこに至るまでにどんな4角関係が生まれるのか。てんを演じる葵が、演技経験豊富な彼らとどう渡り合うのかも注目して観ていきたい。


 「笑う」という行為は動物にはない人間だけに与えられたものだと言われる。生きていくかぎり、辛いことや嫌なことがあるなかで、「笑い」は再び前を向く勇気を与えてくれる。今日からの半年間、本ドラマが沢山の笑いを朝から届けてくれることを楽しみにしたい。(文=石井達也)


    ニュース設定