最期は番組で!出川哲朗「死ぬまでリアクション芸人」という美学

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2017年10月03日 01:00  citrus

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出典:出川哲朗 オフィシャルブログ 「俺の女の口説き方」より

『日刊大衆』によると、9月24日放送の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 特別版』(日本テレビ系)に、お笑いタレントの出川哲朗(53)が出演。自身の芸に対するポリシーを訥々と打ち明けた……らしい。とりあえずは、その流れをかいつまんで説明しておこう。

 

今回の放送は「絶対に答えなくてはいけない! レジェンド芸人に聞きたいことSP!」と題して、後輩芸人からの際どい質問に、松本と浜田雅功(54)、出川らがNGなしで答えていくというもの。この中で劇団ひとり(40)が「引退のビジョンはありますか?」という質問をすると、出川は「僕は1ミリも考えないですね」と即答。続けて「ザリガニ(に鼻を挟まれる)とか、熱闘風呂に入ったときも『かわいそう、おじいちゃん大丈夫?』って思われないで、笑ってもらえるおじいちゃんになるのが夢なんです」と持論を展開。さらには、ダチョウ倶楽部の上島竜兵(56)と「低周波のビリビリ罰ゲームで二人同時に死んで、合同葬儀したいね」と話しているとも語り、「さんざん危ないことをやってきたのに、コイツら低周波で死ぬのかよ!」とツッコまれ、笑ってもらいたいという願望を告白した。

 

これら一連のコメントを受け、松本ら他の出演者は「いい話だ」「かっこいいよね」……と賞賛の言葉を連発。かつては「抱かれたくない男」の1位独走など、“嫌われキャラ”の名をほしいままとしていたベテラン芸人がまたひとつ、お株を上げたようである。

 

私もまっちゃんに倣うわけではないが、この

 

「最後の最後まで自分を切り売りして、絞りカスすら出ないくらいまで“自分”を消費され尽くされ、死んでいきたいという芸人魂」

 

には大いに共感する。前にダチョウ倶楽部のリーダー・肥後克広さん(54)にインタビューしたときも同じようなことを言っていた。

 

「まあ、80歳とかになってかな? 見た目もめっきりお爺ちゃんになって、“今”とまったく同じことをやっているっていうのが一番べストだと思う。現役のまま棺桶に入りたい。おそらく、3人一緒に死ぬパターンはないだろうから、誰かの遺影を持ちながら、今度はなにができるか、遺影持って熱闘風呂とか……? さらに、足腰も弱くなってくるだろうから、誰かが車椅子で移動して……(笑)」

 

「死をネタにされることこそが最大のリアクション芸人冥利」ってことなんだろう。わかる! その気持ち、すご〜くよくわかります!!

 

私は「芸人」でこそないが、ある程度自分を削り落としながら銭を稼ぐタイプの文筆を生業とする「職人」として、やはり「死ぬまで現役」を目指している。そして、そんな死生観は、芸人をも含む職人なら誰しもが持ちあわせている本能、“性(さが)”だとも常日頃から考えている。

 

去年の12月、とある忘年会の席で、私はお吸い物のなかに入っていた丸餅をノドに詰まらせた。決して大袈裟ではなく救急車一歩手前の大騒ぎであった。で、結末を申すと、同席していた元プロ野球選手の某氏に、背中をアスリートの腕力全力でバンバン叩いてもらったところ、運良く口からその餅がぴゅっと飛び出し、事なきを得たのだが、あのとき、もしあのまま死んでいたら「いかにもゴメスさんっぽい間抜けな死に方だなぁ…」と、葬式でもちょっとだけ失笑してもらえたんじゃないか……なんて邪な“死への憧れ”が、一瞬脳裏をよぎったものである。

 

ちなみに、出川は同収録内で「スタッフには迷惑かけるんだけど、夢は番組で死ぬこと」と、制作側への気遣いを忘れず、控えめに“大往生”を願っていたのだけれど、できるならこの発言を“言質”とし、どうか遠慮なく「番組で死ねる」ような企画をどんどんと立案して差し上げてほしい。

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