「おニャン子クラブは永遠です!」おニャン子クラブ解散30周年イベントレポート

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2017年10月07日 22:02  おたぽる

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おたぽる

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 長いことアイドルを見続けてきて思うことがある。それは「解散の瞬間を見届けられるのは幸せ」ということだ。今や星の数ほどいるアイドルの中で、引退や解散のイベントを行うことができる人たちばかりではないし、そこに立ち会えないファンも多いからだ。



 30年前の9月20日、おニャン子クラブの解散の日。私はコンサート会場である代々木第一体育館に行くことができなかった。それは仕方のないことだったけれど、長くアイドルファンを続けていく中で、何か忘れ物をしているような、そんな気持ちになったことも事実だ。



 解散から何年かが経った日、毎年9月20日におニャン子クラブのファンが集まり、ビデオコンサートを開催していることを知った。やがて私もそこに参加するようになり数年が過ぎた昨年、「来年でこのイベントは最後になる」との告知がされたのだった。



 そして迎えた今年、9月18日、今までで最大規模のイベント「おニャン子クラブ 解散30周年 ビデオ&コンサート おニャン子クラブ FINAL LEGEND "THE GRAND FINAL"」が開催された。



 当日のお昼過ぎ、会場となる新宿LOFTの前には長い列ができていた。これまでのイベントは、参加無料(カンパのみ)、出入り自由で行われていたのだが、今回は元おニャン子メンバーのゲストも多く、参加者も増えることが予想されたため、事前申込み制となったのだ。



 整理番号の発行状況や、開場の混雑具合から見て、500人ほどが参加したのではないかと思われる。予定時間の14時、スタッフの案内に従って入場する。仕切りも良かったのだが、参加者がみなキチンと整列しているのに感心させられる。皆、最後のイベントを成功させようと意識しているのだろう。



 中に入って、会場を見回す。もちろん、私と同様におニャン子現役世代が多いが、若い人や女性も結構いる。後追いでファンになったということだろうか。壁には「おニャン子クラブFINAL LEGEND since1897.9.20」と書かれた横断幕が飾られていた。



 準備は整った。あとはこのお祭りを精一杯楽しむだけである。



「おニャン子クラブは永遠です!」おニャン子クラブ解散30周年イベントレポートの画像2
 定刻の15時になり、これまでのイベントの歩みがビデオで流され、徐々に気持ちが高まっていく。そして、ビデオコンサートがスタート。一気に会場のボルテージが上がる。ホイッスルを鳴らす者、ペンライトを振る者、あの日あの場所にいた人も、行けなかった人も、まだ生まれていなかった人だって、一緒になって手を振り上げている。



 まずはヒット曲をメドレーで披露。何度も見た映像だが、30年という年月が一瞬で巻き戻っていくのを感じる。途中のソロコーナー、そして卒業生のコーナーと続き、客席はぎゅうぎゅう詰めながらも、ヲタ芸を打ったり、肩を組んだりと思い思いのスタイルで楽しんでいる。



 スクリーンの中のメンバーを見ながら、今は何をしているのだろうと思いをはせる。芸能活動を続けている人もいるし、一般人に戻りメディアには出てこない人もいる。それでもこの日は「ああ、あれから30年経つのだなぁ」と思っていてくれるのではないだろうか。



 映像の中で、会員番号14番、富川春美が「おニャン子クラブは永遠です!」と叫ぶ。ビデオの中の声援と、今の会場内の声援が、時間を超えて一つになっていく。「夏休みは終わらない」「瞳の扉」とキラーチューンが続き、一緒に歌っていて涙が出そうになった。



 感動の中でライブは続き、18時にビデオコンサートが終了。そして、いよいよゲストコーナーへ。名曲「セーラー服を脱がさないで」が流れ、内海和子、富川春美、立見里歌、白石麻子、布川智子、岡本貴子、杉浦美雪、宮野久美子の8人が登場。30年経ってもみんなお美しい! そしてなにより、あれから30年経った今なおこうして集まって姿を見せてくれることに、ファンとして感激もひとしおだ。



 ライブでは、立見と白石で「私は里歌ちゃん」、内海が「蒼いメモリーズ」を歌うなど、往年のファンにはたまらない選曲が続く。また、MCでそれぞれの近況なども報告され、みな幸せそうな様子で嬉しかった。



 終盤になって、仕事で遅れていたという国生さゆりが登場。「バレンタインキッス」で会場は大盛り上がりとなる。



 国生が言う。「苦しい時があったかもしれないけれど、あの時代をかっこよく駆け抜けたと思う。みんなもそう。だから、その自覚を持って生きていこう」



 そうだ。あの頃私たちが夢中で追いかけていたものは、今は遠くなってしまったけれど、30年経った今でも、これだけの人を集める力を持っていたんだ。



 このイベントは、今回を持って終わるけれど、あの頃を忘れずにいる限り、またどこかでこんな機会が待っている気がする。こうして集まってくれたメンバー、そして30年間続けれくれたイベントスタッフに敬意を感じながら、会場を後にした。
(文=プレヤード)


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