卵母細胞の染色体数異常により流産や先天性疾患が引き起こされる

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2017年10月08日 23:22  妊活・卵活ニュース

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染色体数異常と流産や先天性疾患
ノースウェスタン大学の研究チームは、「PLOS Genetics」にて、染色体数異常である卵子が精子と受精した場合、胚(受精卵)の遺伝物質量が不足し、流産や先天性疾患が引き起こる要因に成り得ると発表した。染色体数異常は、卵母細胞の形成過程において染色体分配の誤りにより生じる。

また、今回の研究に先立ち、今年3月には、「Journal of Cell Biology」にて、卵母細胞の形成異常を特定し、防ぐ技術に関する論文を発表している。

染色体数異常とタンパク質の不足
研究チームは、染色体数異常が発生するメカニズムの解明を目的に卵母細胞の形成過程に焦点をあてたところ、10%から25%の卵母細胞に染色体分配の誤りが生じ、染色体数異常が認められた。

染色体分配の誤りは母体の年齢上昇に伴って増える傾向にあり、流産や先天性疾患(ダウン症など)を引き起こす可能性が高いといわれる。

サディ・ウィグノール(Sadie Wignall)助教授は、染色体分配の誤りにより染色体数が異常である卵母細胞は2種類のタンパク質(KLP-15、KLP-16)が欠如し、正常な細胞形成ができなくなると説明する。

タンパク質の重要性
2種類のタンパク質は、中心体(細胞分裂における染色体分配に関与する細胞小器官)の形成に必要不可欠な物質であるという。また、ウィグノール助教授は、2種類のたんぱく質が卵母細胞の初期異常を補完し、流産や先天性疾患を防ぐ役割を担うと述べる。

研究チームは、染色体分配の誤りに加えて、母体の年齢上昇も卵母細胞における2種類のタンパク質が不足・欠如する要因になると推測する。

(画像はプレスリリースより)

Northwestern University

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