『わろてんか』葵わかなが選んだ相手に賛否両論 松坂桃李と高橋一生のどちらがふさわしい?

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2017年10月22日 06:33  リアルサウンド

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 『わろてんか』(NHK総合)第3週「一生笑わしたる」では、互いに溢れる気持ちを抑えられなくなったてん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)が、共に一生一緒にいることを誓い、てんの実家のある京都から藤吉の実家、大阪の船場へと向かう。てんは薬種問屋である藤岡屋の長女、藤吉は米問屋の長男。「てんは長女として婿を取り、この藤岡の家を継ぐ人間や。長男長女が結ばれることはあらへん」、儀兵衛(遠藤憲一)のこのセリフが示すように、明治時代では伊能栞(高橋一生)が口にしていた“自由な恋愛”はまだ浸透していなかった。入り婿として藤岡家にやってきた儀兵衛にしてみれば尚更のこと。まるで“ロミオとジュリエット”のように駆け落ちを果たしたてんと藤吉であるが、残された藤岡家の人々や必死に伊能へと再びの縁談を頼みこんでいた風太(濱田岳)の気持ちを考えると、二人が結ばれたことを手放しに喜べないのも事実だ。


(参考:今期No1ブレイク俳優・高橋一生の異端ぶり 『わろてんか』イケメン役でも浮世離れ!?


 藤吉の誠実で、ユーモアのある人間性はてんのハートを掴むことに成功した。事実とは異なることも含まれていたとは言え、一度会っただけの女の子に8年間も手紙を送り続けることは並大抵のことではない。そして、彼の“やり残したこと”、「おてんちゃんにもういっぺん、わろうてほしい」。藤吉は、その一心で雨の日も風の日も、てんのいる蔵に通い続けた。てんの幼少期に彼女の笑いをさらった“石川チョコ衛門”の芸で再び笑いを勝ち取った藤吉の心は、“もういっぺん”から“これからもずっと”に変わっていた。儀兵衛を目の前にし、てんを嫁にと頼み込むシーンでは最後の芸と決心をし、太神楽を披露。「俺の嫁はんになってくれ。苦労かけるかもしれへんけど、一生笑わせたる」「一生、一緒にわろてんか?」と、てんにプロポーズするシーンは、8年前藤吉がてんに言った「なぁ、これからもその笑顔でずっと、わろてんか?」のセリフを彷彿とさせる。藤吉にとっては自身の芸で笑ってくれた第一号のお客さん、てんにとっては憧れの人であり笑う楽しさを教えてくれた人。相思相愛である二人の思いは、立場の壁を軽々と超えてしまうほどに壮大であった。


 しかし、てんに藤岡屋を継がせるためとはいえ、儀兵衛が娘を思って婿候補の釣書を集めていたのも事実。風太に至っては、実らぬと分かっているてんへの恋心を押し殺し、一つ屋根の下一緒にいられればと伊能に縁談を頼み込む始末だ。藤岡屋の手代として、「顔よし、家よし、頭よし」とトキ(徳永えり)も絶賛し続ける伊能を婿に、と考えるのは正解である。実際、伊能はてんの機転の良さと家族への思いに惚れ込み、藤岡屋とビジネスパートナーを結ぶことを決断している。伊能は、てんとの再びの縁談の依頼をあっさりと断り、風太の胸中をズバリ当てて見せると、「もし、おてんさんが大阪に来ることがあれば、また会う日が来るかもしれないな」と野心を燃やしていた。


 第4週「始末屋のごりょんさん」では、舞台を大阪の船場に移し、藤吉の実家「北村屋」にて新たな登場人物を迎え、ストーリーが展開される。伊能のセリフ通り、てんは大阪へと足を運ぶこととなったが、どのタイミングで伊能はてんと藤吉の前に現れるのか。その時、彼のセリフの真意が紐解かれることとなる。


(渡辺彰浩)


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  • ストーリーブック及びノベライズを読む限り、この物語の本番は寄席をオープンしてから。ラブだの嫁姑だのよりも、とっととそこまで進ませたいのがよく分かる。
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