東大生を安売りするメディア。東大ってもっと価値あるものじゃないのか?

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2017年12月15日 01:00  citrus

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「ひらがな表記の芸能人、何人思いつきますか?」という問題に、「のん」と答えた東大生が不正解に──。

こんな内容の記事を、デイリー新潮がネット上に配信していた。もう少々詳細を加えると、

 

12月3日に放送されたクイズ番組『東大王★2時間半SP★豪華芸能人12人が天才東大生にクイズで勝ったら100万円!』(TBS系)。現役東大生チーム4人に芸能人チーム12名が挑む──という最近流行の“東大生番組”である。

ともあれ、その(問題の)問題は番組が始まったばかり、2問目だった。

「すべてひらがな表記の人物名(芸能人)、グループ名をお答えください」

(中略:続々と「正解」が双方チームから出てくるなか)東大チームの一人が、悩んだ挙げ句答えたのが「のん」。(中略)しかし、ブッブー! まさかの「不正解」に。「今年の『タレント名鑑』には載っていません」とアナウンス──。

 

一体どういう忖度なのか、私なんぞからすれば、大人の世界の複雑な事情は察しかねるし察したくもないのだが、ここで不正解者扱いされた東大生は、さすがに可哀相……ではあるのだけれど、今日私が言いたいのはそういうことではない。デイリー新潮も何気に指摘しているとおり「最近流行の“東大生番組”」、ちょっと流行りすぎなんじゃないか、流行りすぎていて「東大生の価値が下がってきているんじゃないか?」ってことなんである。

 

「のん」って……別に東大生に答えてもらう必要はないだろ。東大生、テレビに出すぎ! テレビに出すぎて、俗なクイズ問題に頭を捻らせながら答えて……これじゃあ、東大がまるで「普通に真面目に勉強すれば誰にでも入れちゃう大学」みたいなイメージに成り下がってしまうではないか。今も変わらず、そんなハズは絶対ないのに……だ。

 

まだ、私が大学生で関西にいるころは、現役の東大生なんて会ったことも見たこともなかった。ついでに言うなら、現役の早慶大生も。で、就職と同時に上京したものの、やはり(当時の勤務先の)画材屋にも東大卒、早慶卒の社員はいなかった。

 

ところが、画材屋を辞め、フリーランスのライターになって、KやらSやらの大手出版社に出入りするようになれば……早稲田や慶応卒の編集者がゴロゴロ転がっていて……なのに全然仕事ができないヒトもわりといて……「超難関大学」といった、私のイメージは徐々に崩れていった。「普通に真面目に勉強すれば誰にでも入れちゃう大学」? 今も変わらず、そんなハズは絶対ないのに……だ。

 

しかし、そこでも東大だけはまだまだ別格だった。基本、我々の業界では学歴はさほど役に立たず、せいぜい過去の経歴の補足説明として、会話中たまーに挟み込まれる程度だったりするのだけれど、それでも「一応東大です」と相手にカミングアウトされれば、それだけで「コイツ、タダモノじゃねえな…」と、ついつい勝手に警戒してしまったものである。

 

なのに、メディアは東大の大安売り! もっともっとマスコミは、日本は、東大生をイリオモテヤマネコみたく大切に保護すべきではないのか? 出し惜しみしてもいいんじゃないか? ここまで連日バーゲンセール状態だと、本当は日本に1万人くらいしかいない(らしい)現役東大生が、たとえばルノアールの恵比寿東口店に入っても、常に2〜3人はいそうな錯覚に陥ってしまうではないか。

 

それってどうなのよ? 私個人の願望としては、東大生にはず〜っとオザケンやホリエモンや菊川怜や蓮實重彦センセイのように、滅多なことでは遭遇できない奇人・変人でいてほしい!

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