引っ張りだこの出川哲朗、「場に回されるMC」という新境地へ

1

2018年01月25日 01:00  citrus

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

citrus

写真

お笑いタレントの出川哲朗(53)が、目下「再ブレイクの真っ直中」ってことで、バラエティ番組やCMからひっぱりだこ状態であるらしい。

 

しかも、かつては「抱かれたくない男ナンバーワン」に何度も選ばれるほどの“嫌われキャラ”だったのが、近年はとくに子どもや年輩のファンが多く、“国民的愛されキャラ”としての「再ブレイク」……なのだそう。

 

たしかに、一コラムニストの立場から言わせてもらっても、出川ネタはとにかくよく跳ねる。私が過去、ここcitrusに寄稿したコラム『最期は番組で! 出川哲朗「死ぬまでリアクション芸人」という美学』は1500以上の「いいね!」をいただいたし、日刊SPA!に寄稿したコラム『50代でまだハゲていない男は、なぜみんな出川哲朗の髪型になるのか?』は、Yahoo!ニュースのトップにも転載されるほどのスマッシュヒット作品となった。

 

そんな出川人気にあやかろうと、各キー局が今春から「出川MC」の番組を急ピッチで企画しているが、東スポによると、出川の“場を仕切るスキル”の無さに、とある“珍現象”が起きているのだという。東スポの取材に応えた某テレビ関係者は、こう語る。

 

「(自身初の冠番組)『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京系)を見てもおわかりのとおり、(出川の)滑舌は決していいとはいえず、セリフを噛んだり言い間違いをしたりと、普通に考えたらMCなどどだいムリな話。それでも出川人気にあやかりたい制作スタッフは、その“弱点”をカバーするためのアノ手、コノ手を模索している」

 

「仕切れない」「滑舌が悪い」「セリフを噛んだり言い間違える」……なんてえのは、MCとして“弱点”どころか“致命傷”な気もするが(笑)、そこはさすがプロフェッショナルのテレビ屋さん。

 

「出川にはあえて“仕切らせない”方向で、ひな壇から“きっちりと”MCに突っ込める人を(共演者に)選び、出川には“場を回すMC”ではなく、“場に回されるMC”になってもらう」

 

……戦略を企てているんだとか。

 

まさに「ケガの功名」といった様相で、コイツはなかなかに斬新な、“従来にないバラエティのケース”だと私は思う。ひな壇芸人たちも、天才的なMC能力を持つ明石家さんまなどと共演し、結局はさんまを引き立てるための小道具的な役割に徹するより、「全員がMCとしての自覚を持ちながら、みんなで番組をつくっている」みたいな一体感も、より深まるのではなかろうか。

 

また、出川のその“MCとしての存在感の薄さ”は、例えとして相応しいかどうか、あまり自信はないのだけれど、現在『報道ステーション』(テレビ朝日系)のメインキャスターを務める局アナ・富川悠太……のごとくである。久米宏や古舘伊知郎のようなフック感はないが、オンエア中の空気がこぢんまりとアットホームで、すんなりとニュースが耳に入ってくる──実際、視聴率も大物二人が仕切っているころから、さして落ちてもいないようだし……。

 

私は、こういった「場に回される出川MC」の起用は大賛成だ。エッジは利いていなくとも泥臭さがある。そして、毒舌やインテリを前面に押し出したMCにそろそろ飽き始めているのも、おそらく私だけではないはずゆえ……?

    ニュース設定