IMSA:ポルシェ 2018年WSCC第1戦デイトナ24時間 レースレポート

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2018年02月02日 07:12  AUTOSPORT web

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ポルシェGTチームのポルシェ911 RSR。2018年よりGTLMクラス車両のヘッドライトがイエローからホワイトに変更された。
プレスインフォメーション
2018年1月30日

IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ(WSCC)開幕戦デイトナ24時間レース/アメリカ

節目のレースにおいて911 RSRは6位に終わる

 ドイツ. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)のGTチームは、伝統あるデイトナ24時間レースにおける初の総合優勝から15年目となった記念すべき今年のレースに、510PSを誇る2台の911 RSRで出場しました。
 
 2回のル・マン覇者のアール・バンバー(ニュージーランド)/ローレンス・バンスール(ベルギー)/ジャンマリア・ブルーニ(イタリア)組が駆る911 RSR 912号車は、強力なサポートを受けてGTLMクラス6位でゴールしました。
 
 パトリック・ピレ(フランス)/ニック・タンディ(英国)/フレデリック・マコウィッキ(フランス)組がシェアするもう一台の911 RSR 911号車は8位に終わりました。序盤には首位に立ちながらも、バスストップシケインの後にコースから逸れて、修理に費やした2回のピットストップで表彰台を逃しました。

 デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ(5.729km)にて開催された2018シーズン最初の大きなスポーツカーレースである第56回デイトナ24時間レースにおいて、2台の911 RSRはセカンドグリッドからスタートしました。
 
 2つのバンクとタイトなインフィールドを備えた難度の高いサーキットにおいて、BMW、シボレー、フェラーリ、フォードといった手強いライバルたちを相手に、予選の好調なパフォーマンスを維持しながら2台はフロントランナーの背後に付きます。

 5時間が経過したときに豪雨に見舞われ、ピット内で戦略が講じられました。ポルシェのパイロットは、大半のライバルとは異なりウエットタイヤに切り替えることなくスリックタイヤでの走行を継続しました。ラップタイムではライバルに劣るものの、タイヤ交換に費やす2回のストップを省略する戦略を採ります。
 
 この完璧な戦略が功を奏し、ウエットコンディションから次第に乾いていく途中での見事なパフォーマンスによって、スタートから6時間後にはパトリック・ピレがGTLMクラスの首位に立ちます。ピレは予定されていたドライバーチェンジまでトップの座を守りました。

 交代した2015年ル・マン覇者のニック・タンディが首位の奪還を開始します。しかし、293周を過ぎた8時間後に、バスストップシケインでコントロールを失ったタンディは、コース脇の乾いていない芝生の上を高速で滑り、タイヤバリヤに激突します。
 
 大きな損傷を受けた911号車は修理のためにピットに戻り、メカニックは直ちに作業に取り掛かります。20分後にタンディはコースへ復帰しますが、失った13周を挽回することはできませんでした。
 
 ポルシェによる78回目のクラス優勝の夢は消えました。その後、夜間に同じ場所で2回目の衝突を起こし、さらなるタイムロスが発生しますが、いずれにせよ巻き返しを図ることは叶いませんでした。

 アール・バンバー(ニュージーランド)/ローレンス・バンスール(ベルギー)/ジャンマリア・ブルーニ(イタリア)組がシェアするポルシェ911 RSR 912号車のレースは問題なく展開していました。
 
 しかし、大きなミスはなくても首位との距離を縮めるチャンスに恵まれません。今年のデイトナはフルコースコーションも極端に少なく、セーフティカーの出動を利用する機会も皆無でした。
 
 アメリカのレースディレクターはインシデントの発生後にセーフティカーを入れてレースの緊張感を高めるのが常ですが、2017年には21回あったコーションが今年はわずか4回でした。

 IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ第2戦のセブリング12時間レースは、3月17日にアメリカのフロリダ州で開催されます。

レース後のコメント
フランク=シュテッフェン・ヴァリサー博士、ポルシェ・モータースポーツ/GTカー担当副社長
「レースの準備やスタート、さらに911 RSRの性能についてもたくさんの有意義な経験を得ました。残念ながら、レース全体でそれを実践できず、期待に添えない結果に終わりました」

「不運な2回の衝突で多大なタイムを失い、その結果、好調だったにもかかわらず後退を余儀なくされました。チーム全体の活躍は目覚しく最後まで諦めることなく戦い抜きました。修理のためのピットストップは完璧で、これ以上は望めません。今日はツキがありませんでした」

パトリック・ピレ(911 RSR #911)
「残念な結果でしたが誰の責任でもありません。ドライバーもチームも全力を尽くしました。このような過酷な条件では常にアクシデントが発生します」

「今年のデイトナはフルコースコーションがほとんどありませんでした。しかしチームは決して諦めませんでした。だからこのような開幕戦の結果でも、ポジティブにセブリングへと気持ちを切り替えることができます」

ニック・タンディ(911 RSR #911)
「残念な結果でしたがポジティブな視点で物事を見なければなりません。今週、チームが一体となって協力したことがすばらしいです。誰もが自分のすべきことを理解していました」

「フリープラクティス中は問題もなく、レースも序盤は好調でした。これをベースに前進しなければなりません。デイトナは重要なレースです。それは間違いありませんがシーズンはまだ始まったばかりです」

フレデリック・マコウィッキ(911 RSR #911)
「チームスピリットと、わずかなミスもなかったチーム全体の素晴らしいパフォーマンスによって、セブリングでは間違いなく上位に入ることができると思います」

アール・バンバー(911 RSR #912)
「強豪を相手に本当にタフなレースでした。やるべきことがたくさんありますが弱気になることはありません。積極的な取り組みでセブリングを目指します」

ローレンス・バンスール(911 RSR #912)
「レースの前には大きな自信を感じていました。このサーキットで集中的なテストを行い、911 RSRの適切なセットアップを見つけることができました。それだけにこの結果は本当に残念です」

「今年のデイトナはフルコースコーションがほとんどなく例外的なレースとなりました。我々にミスがあったわけではなく、いくつかの点で十分に力を発揮できなかっただけです」

ジャンマリア・ブルーニ(911 RSR #912)
「僕にとってはデイトナがポルシェにおける最初の24時間レースとなりました。素晴らしい経験でした。残念ながらレース中にいくつかの問題が発生しました」

「ヴァイザッハでこれを分析してセブリングで雪辱を果すことになります。全般的には好調なので、この実力をレースで発揮しなければなりません」

レース結果
GTLMクラス
1. ウェストブルック/ブリスコウ/ディクソン(英国/アメリカ/ニュージーランド)、フォードGT、783周
2. ハンド/ミュラー/ブルデー(アメリカ/ドイツ/フランス)、フォードGT、783周
3. マグヌッセン/ガルシア/ロッケンフェラー(デンマーク/スペイン/ドイツ)、シボレー・コルベット、781周
4. ギャビン/ミルナー/ファスラー(英国/アメリカ/スイス)、シボレー・コルベット、780周
5. バイランダー/ピエール・グイディ/カラド/リゴン(フィンランド/イタリア/イタリア/イタリア)フェラーリ488、774周
6. バンバー/バンスール/ブルーニ(ニュージーランド/ベルギー/イタリア)、ポルシェ911 RSR、774周
7. クローン/エドワーズ/キャツバーグ/ファーフス(フィンランド/アメリカ/オランダ/ブラジル)、BMW M8、774周
8. ピレ/タンディ/マコウィッキ(フランス/英国/フランス)、ポルシェ911 RSR、753周
9. シムズ/デ・フィリッピ/オーバレン/エング(英国/アメリカ/アメリカ/オーストリア)、BMW M8、731周

GTDクラス
1. ボルトロッティ/イナイチェン/ペレラ/ブルーカース(イタリア/スイス/フランス/オランダ)、ランボルギーニ・ウラカン、751周
2. パレンテ/レッグ/ハインドマン/アルメンディンガー(ポルトガル/英国/アメリカ/アメリカ)、アキュラNSX、751周
3. セラーズ/スノー/カルダレッリ/ミラー(アメリカ/アメリカ/イタリア/アメリカ)、ランボルギーニ・ウラカン、751周
18. ベルグマイスター/リンジー/ジドラ/パッパス(ドイツ/アメリカ/オーストリア/アメリカ)、ポルシェ911 GT3 R、675周
19. ロング/ニールセン/ジャミネ/レナウアー(アメリカ/デンマーク/フランス/ドイツ)、ポルシェ911 GT3 R、666周
20. カイローリ/ミューラー/スミス/ウォルス/プロスチック(イタリア/ドイツ/スイス/ベルギー/オーストリア)、ポルシェ 911 GT3 R、637周

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