写真家役でスクリーンデビュー 『素敵なダイナマイトスキャンダル』菊地成孔の場面写真公開

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2018年02月23日 17:02  リアルサウンド

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 3月17日公開の映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』より、菊地成孔の場面写真が公開された。


参考:菊地成孔の『スリー・ビルボード』評:脱ハリウッドとしての劇作。という系譜の最新作 「関係国の人間が描く合衆国」というスタイルは定着するか?


 本作は、『写真時代』や『NEW SELF』など伝説的なカルチャー・エロ雑誌を世に送り出した編集長・末井昭の自伝的エッセイを、柄本佑を主演に迎え、『南瓜とマヨネーズ』の冨永昌敬監督が映画化した作品。7歳の時に母親が隣家の若い息子とダイナマイト心中するという壮絶な体験をした末井青年が、工員やキャバレーの看板描きと職を転々としながら、70〜80年代のサブカルチャーを牽引する雑誌編集長となっていく様を描く。


 本作の主人公・末井昭による『NEW SELF』は、それまで主に実話系の読み物が中心で、ザラ紙に印刷されるなど質の低かったエロ雑誌とは一線を画し、紙面のレイアウト、紙や印刷にもこだわる“スマートでマジメなエロ雑誌”として1975年に創刊され、南伸坊、赤瀬川原平、田中小実昌、嵐山光三郎といった当時のサブカルチャーを牽引する豪華な執筆陣が加わり、若者に絶大な人気を博していく。そして、末井とともに『NEW SELF』、その後に創刊される『写真時代』を支えたのは、世界的巨匠写真家であるアラーキーこと荒木経惟だった。


 今回、末井の自伝を描くにあたって欠かすことができない登場人物であるこの荒木経惟をモデルにした役に冨永監督がオファーしたのは、本作の音楽監督を務める菊地。『パビリオン山椒魚』、『パンドラの匣』など音楽家である菊地と長年タッグを組んできた冨永監督はその経緯について、「前々から成孔さんは荒木さんに似てると思ってました。その才能の大きさも似てるし、言葉で体ができてるかのような、虚実すれすれの身体性も似てる。だから成孔さん以外のキャスティングは考えられませんでした。でもその出演依頼は頑として断られました。音楽は絶対にやるけど出演はダメだと。なので、直前になって引き受けてくれたのは本当にびっくりしたんですよ」と語る。菊地による荒木への尊敬の念から、あくまで“アラーキー”ではなく“写真家・荒木さん”として役を引き受けた菊地の軽妙な演技は、クセのある人物ばかりの本作の中で特に際立っている。


 公開された場面写真は、「水着の撮影」だと思ったモデルを、言葉巧みに問いかけ「脱いでもいっか!」という気持ちにさせていく“荒木さん”の撮影シーン。アシスタントと、あ・うんの呼吸で「エロマンティクだね!」とモデルをその気にさせ、浴衣から下着姿にしてしまう“荒木さん”。そして最後に下着を脱ぐことを渋るモデルに「あのねー…これ、ゲージュツだから!」と殺し文句を放ち、「ゲージュツなら…」と笑顔でヌード撮影へと持ち込んでしまう。冨永監督からは「台本を1.5倍に膨らませてください」というリクエストがあったものの、結果的にはほぼ菊地のアドリブになったそうだ。


(リアルサウンド編集部)


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