みなさん、年が変わっても忙しくストレスが溜まってしまう生活を送っているのではないでしょうか。ストレスは万病の元ともいわれ、現代に生きる我々にとってストレスをどう解消するかが、健康的な生活を手に入れる重要なポイントになってきています。
人それぞれ、ストレス解消法をお持ちだと思いますが、東邦大学医学部生理学教室の有田秀穂教授によれば、ストレスを改善するためには「涙を流す」のがいいとのこと。
私たちの涙は、基本的には眼の表面を守るための作用があります。例えば、玉ねぎを切ったときや目にゴミが入ったときに出る涙も、眼の表面を守るために自然に出るものです。最近では、パソコン作業が多くなり、涙の量が少なくなったことによる「ドライアイ」で悩まれている方々が増えてきて問題となっています。
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しかし、それとは違う意味合いの涙を私たち人間は持っていて、有田教授によるとその涙がストレス解消に役に立つそうです。
その涙の正体は、「情動の涙」といわれるもので、映画を観て感動したり、小説の世界に入り込んで悲しくなったり、スポーツ中継の逆転劇を見て興奮をしたりするときに流すものです。
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心を揺り動かせられる体験や物語を聞いたり見たり経験したりすると、前頭葉の前頭前野にある共感するときに活動する領域が興奮します。その結果として副交感神経の活動が亢進し、涙の量が増えるというしくみになっているのです。
すなわち、出来事に共感し感動して流す涙は、副交感神経を興奮させる作業なので、心の緊張状態を和らげる作用があるのです。泣くという行為は、激しい感情のあらわれなのですが、実は、副交感神経優位となっているのでリラックスした感情が得られるということなのです。
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ですから、あまりにも忙しくてストレスが溜まったなと感じたときは、映画やテレビを観て「そうだよね、わかるわかる」というように共感しながら泣くようにしてみてはいかがでしょうか。きっとスッキリして気持ちがリセットされることとなるでしょう。
ちなみにウソ泣きは、自分の気持ちが入ってなく共感脳が働いていないものなので、ストレス解消にはなりませんのでご注意を。