F1新リスタート方式にドライバーから懸念の声「大きなマルチクラッシュが起きる可能性がある」

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2018年03月17日 07:21  AUTOSPORT web

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2018年F1テスト スタート手順のシミュレーション
バルセロナテストで、スタンディングスタートによるレース再開の試行に参加したロマン・グロージャンは、今年から導入されるこのルールが、ドライバーにとっては大きなトラブルの元になる可能性を危惧している。

 2018年の競技規則の変更により、F1では赤旗中断後のリスタートの方法として、従来のセーフティカースタート以外に、コンディションが許せばスタンディングスタートを選ぶこともできるようになった。どの方法を選択するかは、F1レースディレクターのチャーリー・ホワイティングが判断する。

 このスタート手順のシミュレーションは、第2回テストの1日目から3日目にかけてセッション終了後に実施された。これにはグロージャンを含めた数人のドライバーが参加し、各車がダミーグリッドに並んだ後、新しい手順によるスタートを行った。

 だが、グロージャンはこの試行に好印象を受けなかったようで、冷え切ったタイヤでグリッドからスタートするのが、いかに難しいかを訴えた。

「4速より上のギヤは使えなかった」と、彼は言う。「とても乗れたもんじゃない。僕は比較的早いうちにグリッドについたので、(バルテリ・)ボッタスと一緒に長いこと待たされた」

「ようやくスタートした時には、雨の中をスリックで走っているような感じだった。シフトアップするたびに後輪がホイールスピンして、シフトダウンするたびに後輪がロックするんだ。コーナーに入れば滑りっぱなしで、どうにもならなかった」

「安全性という観点からは、ちょっと心配だね。さっきも言ったように、どう頑張っても4速より上は使えないほどだったから」

「僕の考えを言えば、大きなマルチクラッシュが起きる可能性があると思う。ストレートでもコントロールを失うほどで、もしそうなったら後続のドライバーたちはどうしようもない……」

「今回はとりあえず試しにやってみたが、正直なところ、僕はあまり楽しくなかった。シフトアップやシフトダウンをするだけでも、トリッキーな状態だからね。僕の前にはボッタスがいたけど、彼もそれほど楽しんでるようには見えなかった」

「どのくらいのペースで走ったのかも分からないが、それはセクタータイムを調べてほしい。きっと、ものすごく遅かったはずだ」

 かなり気温が低かったバルセロナのコンディションが、スタンディングスタートを通常より難しいものにした可能性はある。しかし、グロージャンは、たとえ文句なしのコンディションだったとしても、ドライバーはタイヤの温度を上げるのに苦労するだろうと語っている。

「とても寒かったのは確かだ。でも、普通にスピンしてコースに復帰し、またプッシュし始めた場合でも、いったん冷えたタイヤは、そう簡単には温度を取り戻せない」と、グロージャンは言う。

「たとえば、スローペースで1周してきた後、スタートがアボートになってもう1周、というケースを想像してみてほしい。(今回のテストでも)タイヤの温度は40度くらいしかなかった。これでは全く機能しない」

「モナコだったら、20周しても温度を取り戻せるかどうか、僕には自信がない。まあ、わりとすぐにタイヤに熱を入れられるコースもあるけどね」
「冬のバルセロナを別とすれば、カナダや中国あたりでも、いったん冷えたタイヤの温度を取り戻すのは、かなり難しいと思う」

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