ホルモン補充は子宮内膜着床能に効果がある

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2018年03月27日 23:01  妊活・卵活ニュース

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ホルモン補充と体外受精成功率
エストニア、スペイン、イタリアの研究者らは、「Journal of the Endocrine Society」にて、第三者卵子による体外受精2回にて妊娠に至らなかった場合、ホルモン2種類(エストラジオール、プロゲステロン)を補充することで子宮内膜が着床可能状態になり、体外受精成功率が50%以上になると発表した。

エストラジオール(エストロゲンの一種)、プロゲステロン(黄体ホルモン)は子宮内膜の血流を改善し、受精卵が着床可能な環境に整えるといわれる。

ホルモン補充と子宮内膜着床能における関係性
研究チームは、2010年から2017年に掛けて、第三者(30歳から51歳、平均25歳)から卵子提供を受けて体外受精を行う女性105人を対象に、ホルモン補充と子宮内膜着床能(受精卵着床に対する子宮内膜の状態)における関係性について比較実験を行った。

被験者の女性35人は体外受精1サイクル目、70人が体外受精2回にて妊娠に至らなかった。

体外受精2回が失敗に終わった女性のうち、半数は、3サイクル目に備えて経口エストラジオール製剤を服用し、膣座薬にてプロゲステロンを挿入した。ホルモン補充により子宮内膜の環境が改善され、3サイクル目における妊娠率54.3%、出生率51.4%に高まった。一方、ホルモン補充なし、体外受精3サイクル目の成功率は17.1%であった。

また、ホルモン補充なし、体外受精1サイクル目の女性は、妊娠率74.3%、出生率68.6%と報告されている。

第三者卵子による体外受精の将来性
ホルモン補充なしの女性と比べ、ホルモンを補充した女性の子宮内膜は、顕著に厚いことが認められた。研究チームは、ホルモン補充が子宮内膜の遺伝子に与える影響について研究する必要性を述べているが、今回の研究結果を受けて、専門家らは、個々の症状に応じた不妊治療を可能にすると期待する。

(画像はPixabayより)

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