佐々木希、『デイジー・ラック』楓役のハマりっぷり 海野つなみ原作漫画からの変更点を読む

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2018年04月21日 06:01  リアルサウンド

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 NHK総合、金曜夜の10時枠「ドラマ10」にて、4月20日より『デイジー・ラック』がスタートした。このドラマは、『逃げるは恥だが役に立つ』の原作者としても知られる海野つなみの同名漫画を原作とする物語だ。


 宝石店に勤務していたが会社の倒産にあい、転職してパン職人となる楓(佐々木希)、高級エステの企画・営業アシスタントの薫(夏菜)、1DKの部屋でフリーランスとしてバッグ職人を続けるミチル(中川翔子)、新婚の専業主婦・えみ(徳永えり)の幼なじみ4人が、えみの結婚式を機に成人式ぶりに再会し、小学生の頃に結成した“ひなぎく会”が再び動きだすというもの。


 オンエア中、実況ツイートしていた原作者・海野も解説しているが、「デイジー」とは「ヒナギク」を指すのとは別に、「素敵なもの・人」という意味も持つ。どんな人にでも素敵な幸運が訪れる、そう思えたときが転機というメッセージが詰まっている。


 第1話でメインに描かれたのは、主演の佐々木希が演じる楓のストーリー。久しぶりにひなぎく会の第1回を開催しようと提案するものの、ほか3人は仕事でスケジュールが合わずキャンセル。1人無職、お昼に起きる生活に焦り、経験もないまま“パンが好き”という気持ちに突き動かされパン屋の扉を開ける。


 佐々木希と言えば、昨年4月にアンジャッシュ・渡部建との結婚を発表し、今年2月には第1子の妊娠を報告。今秋出産予定であることから、産休に入る前の貴重なドラマ出演とも言える。佐々木の近年の主演作は、映画『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』(2016年)、WEBドラマ『雨が降ると君は優しい』(Hulu / 2017年)などがあるが、地上波の連続ドラマとなると深夜放送の『土俵ガール!』(TBS系 / 2010年)まで遡る。『雨が降ると君は優しい』では官能的な役柄が話題となったが、『デイジー・ラック』で演じる楓は、バラエティ番組やInstagramで見る笑顔で、ポジティブな佐々木希のイメージそのもの。


 自分が何者でもないと気付いてしまい、パン屋に入った途端、塩パンを頬張りながら大泣きしたと思いきや、(楓を囲むために開かれた)ひなぎく会ではけろっとした楓が現れる。そして結局パン屋にもアルバイトで働けることになっている、という元気で打たれ強い楓は、等身大の佐々木希にぴったりな役柄ではないかと感じさせる。


 第1話の終わりには、3年間ヨーロッパでパンの修行をしていた安芸(鈴木伸之)が登場し、29歳の素人を雇ったのかと彼が店長に悪態をつくところで終了する。のちにこの安芸が楓の新しい恋のお相手となるのだが……実は、原作では安芸と楓はかなり早い段階で出会う。


 というのも、原作は全2巻の第8話までしかなく、今回のドラマ全10話に対して大幅にストーリーが足されている(新装版『デイジー・ラック』1巻でも、ドラマスタートに当たって、海野が「脚本家さんが大変」と触れているほど)。第1話冒頭、小学5年生のひなぎく会も、楓がパン屋に雇ってもらうまでも、えみの結婚式も、原作では描かれておらず、細かいことを言えばえみの「結婚して8年。30歳目前」という設定も、ドラマでは変更になっている。4人を順繰り2周する形で展開された原作だったが、ドラマではまた別の『デイジー・ラック』が描かれていくのは間違いないだろう。楓だけでなく、薫、ミチル、えみの恋愛、人生がドラマ版ではどのように進んでいくのか、原作と比べながら視聴するのも一つの楽しみ方になりそうだ。(渡辺彰浩)


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