ベッキーの「新しい私」アピールに見る、それでも「いい子と思われたい」メンタリティ

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2018年05月25日 00:03  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「ひとり旅は、自分で自分を褒める時間ができて悪くないなって思いました」ベッキー
(「HUFFPOST」インタビュー、5月23日)

 図らずも相手の運気を吸いとる、さげマンやさげチンというのは実在するのではないか。

 例えば、女優の斉藤由貴。医師との不倫でお騒がせしたことは記憶に新しいが、斉藤はNHK大河ドラマ『西郷どん』こそ降板したものの、ブルーリボン賞助演女優賞に輝き、女優のオファーも順調に戻ってきている。『1周回って知らない話』(日本テレビ系)には、娘と共に出演し、家庭が順調なことを印象付けた。

 しかし、一方の医師はというと、ネットで身元捜しをされ、パンツをかぶった写真が流出した上に、現在は離婚調停中だという。女優として肥えていく斉藤とは反対に、踏んだり蹴ったりな状態である。

 ゲスの極み乙女。のボーカル・川谷絵音も、相手の運を下げるさげチンではないか。ベッキーとの不倫騒動で、ベッキーは活動休止に追い込まれ、また破局後に付き合ったモデル・ほのかりんは、「週刊文春」(文藝春秋社)に未成年飲酒疑惑が報じられて事務所から解雇されてしまう。元カノたちはキャリア面でやせ細っていくのに、本人は一時期活休をしていたものの、最近「週刊女性」(主婦と生活社)にモデル・松本愛との交際を報じられ、1年半ぶりにアルバムを発売するなど、公私共に充実しているようである。

 特に元カノ・ベッキーはどうにかして地上波への復帰をはかっているようだが、なかなかうまくいっていないのが現実と言える。この状態に危機感を持っているのは本人だろう。「HUFFPOST」のインタビューで、ベッキーは「以前の自分とは違う」ことを強調する。

 以前までベッキーは、「仕事が充実していることが、自分の人生の充実だった」と思っていたそうだが、活休を経て、「一番大切なのは、私の心が健康であること」であり、「仕事の充実が全てじゃない」と思い至るようになったと語る。以前掲げていた、例えば「黒い服はNG」といったベッキールールも捨てたという(ちなみになぜ黒がNGかというと、葬式の色だから)。こうしたルールからは、ベッキーの思い込みの激しさが窺えるが、今では、ヘアメイクやスタイリストに「新しいベッキー」を作ってもらっているそうだ。

 また、ベッキーはひとり旅にも初挑戦したという。以前はひとり旅を「ひとりぼっち」だと思っていたが、実は「ひとり占め」だと気づいたらしい。航空券の手配なども、人の手を借りずに自分でやるので、「ハプニングが起こった時に回避できると『すごい、あたし回避できたじゃん』って思う」「計画通りにものごとが進めば、自分で自分を褒めることもできるのもすごくいい」「ひとり旅は、自分で自分を褒める時間ができて悪くないなって思いました」と述べていた。

 ベッキーについて「力が抜けた」「変わった」と感じる人もいるだろうが、私には根幹の部分は同じように感じられる。なぜなら、ベッキーは昔も今も「できていることで、自分を褒める」方式を取っているからだ。

 ベッキーの言う「仕事の充実」とは、たとえオファーが少なくても、その中で満足感を見いだすというものではなく、たくさん仕事が来ることをよしとする概念だろう。「スタジオを出るときにおじぎする」「朝、スタッフの名前を呼んで祈る」などのベッキールールも、より多くの仕事を呼び寄せたいというおまじないに近い意味合いがあるものだと思われる。仕事が来た、トラブルが回避できたというように、何かができた時に、自分を褒めるのは当たり前のことである。努力したけれど、どうにもならなかった、もしくはできなかった時に、いかにして自信とモチベーションを維持するかが大事なのではないだろうか。

 もし今回の不倫騒動を失敗とするなら、その原因はヒトを見る目のなさだろう。「文春」にベッキーと川谷のLINEのやりとりが掲載されたことで、2人は不倫関係であることが証明されてしまったが、川谷は前妻に離婚をしたいと申し出た際、「大切な人がいる」とまで告白していたことがわかった。

 離婚の話を切り出す際に、次の女性の存在を明かすとは、はっきり言って大バカ者である。前妻は「それってアウトだよね」と返したそうだが、この発言には簡単に離婚をするつもりがないこと、また報復の可能性がゼロでないことがほのめかされている。川谷やベッキーがそのあたりを考えなかったのは、人の気持ちに疎いか、前妻を少々みくびっていたかのどちらかだろう。

 つまり、今回の厄災は、捨てる妻に対する配慮があまりにもなかったことから生まれているのである。となると、ひとり旅をして「できた」と自分を褒めるより、積極的に他人と関わって、さげチンに引っかからないように男を見る目を養ったり、他人の心の機微を学んだ方が「新しいベッキー」になるためには有効ではないだろうか。

 ベッキーももう30代半ば、自分の心の黒さやみっともない部分を認めて、思い切ってさらす勇気が必要なのではないだろうか。今のベッキーは、まだ「いい子と思われたい」域から脱していない気がする。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

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