欅坂46 長濱ねる、タレントとしてのエースに 『ねるねちけいONLINE!』で見せた“天性の才能”

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2018年08月16日 08:02  リアルサウンド

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 欅坂46の中で、アーティストとしてのエースが平手友梨奈なら、タレントとしてのエースは長濱ねるではないだろうか。クイズ番組、ドラマ、写真集に長崎市観光大使など、グループの活動以外でのソロでも大活躍を見せている。そんな中、”長濱ねるがただただかわいい!”と話題になったのが、8月7日と14日の2週に渡り放送された『ねるねちけいONLINE!』(NHK総合)だ。アイドルグループの一人が、NHK総合で冠番組を持つということだけでも快挙である。自らが体験するマイペースなリサーチ動画と不器用なMCぶりが面白い。長濱の可愛さと独特の空気感が絶妙に引き出されており、共演者をも虜にする癒し番組となっていた。“応援したくなるMC”という、バラエティタレントとしての新たな可能性を見出した長濱について、番組を振り返りながら考察してみたい。


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 『ねるねちけいONLINE!』は、”長濱ねるの好奇心リサーチバラエティー!”として、長濱が気になる世の中の疑問や謎を、様々な人に出会い、自分の力で調べて新しい発見をするという番組である。かつてのEテレであったような実験番組、今で言うYouTuberのやってみた動画のような2分弱の映像「ねるリサーチV」を公式HPやTwitterで2週間毎日配信し続け、その動画を“まとめ番組”として総合テレビで放送。 長濱がMCとなって、ゲストと一緒にモニタリングするというSNSとテレビがリンクした斬新な企画となった。


 これまで長濱は、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で明石家さんまとも渡り合う対応力を見せたり、『くりぃむクイズ ミラクル9』(テレビ朝日系)などのクイズ番組で才女っぷりを発揮したりと、比較的しっかり者で出来る女の子というイメージだったが、「ねるリサーチV」では、ソロ活動にも関わらず、『欅って、書けない?』(テレビ東京)で見せるような、マイペースで頭脳派ポンコツという真の長濱ワールドを遺憾無く発揮している。


 最初は「ネットにあふれる 足が速くなる方法を試してみる」をテーマに、足の指に輪ゴムをかけたり、両手にピンポン玉を持ったりして走っていたが、タイムは伸びず。長濱は「ネットの意見はあまり信じすぎてはいけない!」と結論づけた。視聴者的には実験以上に長濱が何度も全力で走る姿が可愛いという結論に達し、最も再生数を伸ばしている。また360度カメラに挑戦した回では「360度カメラは楽しい」といった、なんのひねりもないすっとぼけた長濱の結論に思わずツッコミを入れたくなった。そんな各動画に対して、“まとめ番組”で、ゲストのオアシズが視聴者と同じ目線で、褒めたり、ダメ出ししたり、ツッコミを入れたりしていくことで、映像の内容と共に長濱の面白さがより際立ち、本当の意味で動画が完成されていくのだ。


 7日の放送では、淡々と進行する長濱に対し、最初は優しいツッコミを入れていたオアシズの二人だったが、最後には真面目に挨拶する長濱を見て、「あははは、なんだろキュンキュンくるよね。もうほんと出来る子にならないでね。このまんまでいいよね」(光浦靖子)「いい子なんだろうね。ちゃんとしたお母さんお父さんが愛情をもって育ててさ、島から出て来てがんばってんの。器用にやらなくていいの」(大久保佳代子)と言葉をかけていた。未公開映像には、そんな二人の言葉に涙を流す長濱の姿が映し出されており、なぜか感動のエンディングを迎えている。このオアシズの感想こそが、長濱の特色をよく捉えているように思う。視聴者も同意見だからこそ彼女を応援したくなるのだ。そんな長濱の人たらしっぷりは天性の才能と言ってもいいだろう。


 そして14日の生放送では、MCの成長ぶりも垣間見えた。盛り沢山な内容にも関わらず、何でも許せてしまえそうな笑顔と、心地よいリズムで滞りなく進行する姿には、番組アシスタントなどもいけるのでは? とさらなる可能性を感じる。


 新たなジャンルを切り拓いた『ねるねちけいONLINE!』で長濱が出した結論は、「『ねるねちけいONLINE!』またやりたいです!」と最後までストレートだったが、5年10年と、ライフワークとして続けてほしいと思わせるほど、魅力と多幸感に満ちた番組であった。(文=本 手)


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