林遣都、『リーガルV』米倉涼子と名コンビ? 『おっさんずラブ』にも通じる“目の離せない”魅力

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2018年10月19日 06:02  リアルサウンド

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 米倉涼子主演ドラマ『リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子〜』(テレビ朝日系)が、初回視聴率15.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好スタートを切った。先日放送された『ドクターXスぺシャル〜復刻版〜』(テレビ朝日系)が16.7%と近しい視聴率であり、『ドクターX』の枠を担う米倉主演ドラマとして、引き続き固定ファンを離さずものにしていることが数字から伺える。


参考:『リーガルV』は米倉涼子×テレ朝の新しい未来を切り開くか “資格がない”元弁護士の勝ち方


 第1話では、小鳥遊翔子(米倉涼子)を管理人とした弁護士事務所「京極法律事務所」の設立と初の事件の弁護を担当。自由奔放で弁護士資格を剥奪されている“元弁護士”の小鳥遊が、その立場でどのように事件を解決していくかが、鮮やかに描かれた。『リーガルV』は1話完結型のストーリーで、第2話の永島美鈴(斉藤由貴)がそうであるように、ゲストが弁護の依頼をするというのが一つのパターンとしてガッチリハマっている。その物語を彩るのが個性豊かな京極法律事務所の面々。中でも、すでにポジションを確立させているのが、新人弁護士の青島圭太(林遣都)だ。


 小鳥遊から“ポチ”呼ばわりされている青島は、その名のとおり、まるで主人に従順なペットのよう。新設したばかりの京極法律事務所は、運営資金のために多額の成功報酬を獲得する必要がある。第1話の痴漢冤罪事件、第2話のパワハラ裁判においても、一見勝ち目ゼロの案件ではあるが、小鳥遊の見事なまでの現場力で、裏に見え隠れする問題までをも解決し、訴訟と示談の2件分の報酬を獲得する。しかし、法廷に立つのはいつも青島で、ここぞという時に相手側に決定打を与えられない、いまだ頼りない弁護人である。第2話では、2度も証人を法廷に呼ぶことができずに、小鳥遊から“クズ”に格下げを食らう。有益な情報を掴んできた青島は、“クズから“ポチ”へと戻ることができたが……(第2話のテーマがパワハラなだけに)冷静に、青島はそれでいいのかという感情も抱いてしまう。


 「テレビ朝日」と「林遣都」と言えば、思い出すのはやはり今年空前のブームを巻き起こし、Twitterの世界トレンド1位を取った『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)である。牧凌太(林遣都)は、春田創一(田中圭)への思いを内に秘め、天邪鬼な行動を取ってしまっていた。牧には応援したくなる愛くるしさのような雰囲気を筆者は感じていたが、気づけば青島にも放っておけない、目の離せない魅力を見出してしまっている。「遅くなりました!」と事務所のドアを開けるお決まりパターンは、きっと最終回まで重宝されるだろうし、依頼人から弁護人に見られないという頼りないキャラは、京極法律事務所のキャラの濃い面々の中でも、絶妙な立ち位置にある。米倉との共演は、2010年公開の映画『交渉人 THE MOVIEタイムリミット高度10,000mの頭脳戦』以来。『ドクターX』同様、『リーガルV』もシリーズ化となれば、米倉と林のコンビもすっかり定着していくことだろう。


 青島は極度のあがり症で、打たれ弱い部分もあるが、初心を忘れず、個人の心に寄り添おうとする実直さを小鳥遊に評価され、今の事務所にスカウトされた経緯がある。それは、同時に元弁護士として小鳥遊の中に眠る信念でもあるように思う。これから続く『リーガルV』の物語は、“ポチ”の成長を見守ることにも、きっと何かしらのメッセージが秘められているのではないだろうか。(文=渡辺彰浩)


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