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――発行部数約200万部(一般社団法人 日本雑誌協会発表)を誇る最強の少年マンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)。そんな「ジャンプ」の最新情報をさまざまな角度からレビュー!
「週刊少年ジャンプ」(以下、「ジャンプ」)2017年11号の表紙と巻頭カラーは、「新連載6連弾」の第2弾目となる『U19』。舞台は、大人が子どもを力で支配する2036年の日本。ゆとり教育や教育格差を経た“もしもの日本”が描かれている。異能力的な要素も感じるが、「ジャンプ」では珍しい社会派マンガへとなるのか? 今後の展開に注目だ。
今号には、『食戟のソーマ』の佐伯俊描き下ろしの「ヒロイン大集合SPポスター」が付いている。発売日がバレンタインデーの前日ということで、学生服姿のジャンプヒロインがチョコレートを持って教室に大集合。以前にも企画でヒロインたちを描いていた佐伯。美食を食べさせては、ヒロインを色っぽく“悶絶”させる読み切りマンガも描いていただけに、今回はやや物足りなさを感じたが、画力に定評のある佐伯が手がけただけあって、どのヒロインも可愛さがアップしている。
前述の通り、前号から「新連載6連弾」がスタートしている「ジャンプ」。今号から現・連載作の完結&打ち切りもスタートする形に。まずは、前号で「クライマックス大増23P!!」と予告していた『背すじをピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜』が、2年弱続いていた連載を終えた。急に2年の時が進んだりと、ラストはやや駆け足感があったが、作者の横田卓馬は巻末の目次で「というわけでお陰様で完走です!」とコメント。あくまでも“完結”の模様。横田はさっそく次回作への意気込みを見せているので期待したい。
そんな今号の「ジャンプ」で気になったのは、読者アンケートハガキ。新連載の『U19』についての質問がある中、ライバル誌「週刊少年マガジン」(講談社)、「週刊少年サンデー」(小学館)の中で「好きな作品」を聞いているのだ。
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先日、「一般社団法人 日本雑誌協会」が発表した2016年10〜12月の印刷部数を見ると、「マガジン」が約98万部、「サンデー」が約32万部を記録する中、「ジャンプ」は約200万部と大差をつけている。オリコンが発表するコミックランキングを見ても、上位はほぼ「ジャンプ」作品であることがほとんど。数字を見れば、「ジャンプ」が一人勝ち状態だ。
しかし、「マガジン」「サンデー」同様、実は「ジャンプ」も売り上げを徐々に落としている状態。16年7〜9月期の部数と比べると、約15万部数字を落としている。おそらく、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』をはじめ、『BLEACH』『暗殺教室』といった人気作の連載終了が影響していると考えられる。
人気作の喪失、印刷部数の低下が原因なのかは定かでないが、「ジャンプ」読者が好むライバル誌の作品を調査することで、今後の連載作への参考にしようと考えているのだろうか。たしかに、『名探偵コナン』『金田一少年の事件簿』といった探偵モノ、『ダイヤのA』『MAJOR』といった野球モノは「ジャンプ」にはなかったりするが……。
(雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は集英社。文中、敬称略)
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