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礒崎陽輔首相補佐官の「法的安定性は関係ない」発言が問題視されるなか、またしても安倍チルドレンがとんでもないことを言い出した。
それは、滋賀4区の衆議院議員・武藤貴也氏の30日のツイートだ。
〈SEALDsという学生集団が自由と民主主義のために行動すると言って、国会前でマイクを持ち演説をしてるが、彼ら彼女らの主張は「だって戦争に行きたくないじゃん」という自分中心、極端な利己的考えに基づく。利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、非常に残念だ。〉
「戦争に行きたくない」という主張はわがままの極みである──。武藤議員はそう怒っているのだ。裏を返せば「お国のために死ねることこそ美徳」と言っているに等しく、むしろ安保法制はやはり「戦争法案」だということを象徴するような発言ではないか。
しかも、武藤議員は、このツイートの前にこんなことも述べている。
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〈「NO WAR」とプラカードを掲げてる人に、他国が攻めてきたらどうするのか聞いてみたら「戦う」と言う。けれどそれはまさに自衛のための「WAR」だ。またその問いに「座して死を待てば良い」と答える人は宗教家になるべきで、その価値観は他人に押し付けるべきではない〉
「座して死を待つ」と「WAR=武力行使」以外にも戦い方はいくらでもあるし、他国に攻められて自衛するのならいまのままの憲法でいいわけで、それを無理矢理「戦争できる」ようにねじ曲げようとしているから多くの人がおかしいと声をあげている、その意味さえこの議員にはわかっていないらしい。そして「人を殺したくない」という平和憲法を生み出した重要な理念さえ、「他人に押しつけるな」と言い張っている。
さらに、この武藤議員、〈戦争したくないなら国会周辺ではなく領海侵犯を繰り返す中国大使館前やミサイル実験を繰り返す北朝鮮朝鮮総連前で反戦の訴えをすべきだ〉とも主張している。外交努力こそ議員の務めなのに、国民にどうにかしろとまで言い出す始末なのだ。
もう呆れてものも言えないが、これが安倍政権の本質なのだ。実際、この武藤議員は憲法審査会の委員であり、例の「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのがいちばん」という言論弾圧発言が飛び出した「文化芸術懇話会」の結成にも絡んでいるメンバー。極右団体・日本会議の総会にも出席し、安倍晋三首相が会長を務める「神道政治連盟国会議員懇談会」にも所属する議員だ。
安倍晋三首相自身は先月30日の委員会で「(徴兵制は)明確な憲法違反であり、導入はまったくありえない」「子どもたちが兵隊にとられるという徴兵制が敷かれることは、断じてない」と繰り返したが、誰がこの言葉を信じられるだろう。安倍首相の側近である礒崎氏や思想を同じくする子飼いの武藤議員は"法的安定性は無視しろ""戦争に行きたくないと言うのは利己主義だ"と言っている。いまは安倍首相の思想を身に叩き込んだ安倍チルドレンたちを自民党はマスコミの前に出さないように押さえ込んでいるが、結局、こうして洩れてくる意見こそ、安倍首相の"本音"なのだ。
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こうなったら、安倍チルドレンたちはどんどんTwitterでその主張を展開してほしい。そうすれば、隠された安保法制の真の目的が暴露されていくのだから。
(水井多賀子)
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