母は定年まで会社に勤め、父に至っては今でも嘱託で働いています。だから両親にはじゅうぶん経済的な余裕があるのでしょう。いつもお金を気前よく出してくれるし、ありがたい支援を受けているとは思っていますが……。
法事の場に着くと、母は親戚たちとのおしゃべりに夢中です。母の口から出てくるのは、いつものように人の品定めをするような言葉ばかり。「あそこの家の娘さんはどこに進学して、どこに就職して、旦那さんはあの会社にお勤めらしいわよ」
地元へ向かった私は、きっと母から直接「いつまで専業主婦でいるつもりなの」と説教されるのだろうと憂鬱な気持ちでした。着いてみると案の定、母は親戚にむかって立派に働いている妹の自慢話ばかり。母はこんなふうにずっと周りに迷惑をかけてきたんだろうな……。たまりかねて父に声をかけたものの、父もまた母と同じ価値観であることを思い知らされただけでした。
夫は両親にほとんど口を出されずに育ったそうです。だけどそれは放任ではなく、信用されていたからではないでしょうか。一方の私は、愛情という言い訳のもと口を出されまくって、両親に敷かれたレールの上を走ってきたように思います。
嬉々として妹の自慢をする母と、それに対して何とも思っていない様子の父を間近で見て、私は「この人たちは変わらないのだな」と強く感じたのでした。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・rollingdell 作画・りますけ 編集・井伊テレ子