将棋界の頂点に君臨する藤井聡太八冠(21)から初めてタイトルを奪った伊藤匠叡王(21)が20日夜、甲府市内で記者会見した。無敵と思われた「絶対王者」と熱戦を展開し、「藤井世代」形成に期待がかかるが、「まだまだ自分の方が実力が不足している」と控えめに話した。
今回の叡王戦までは、藤井には公式戦0勝10敗。その間、「はっきり実力の差があると捉えて、自分の棋力を上げていくしかない」と、折れずに気持ちを前に向けたという。
そこから白星三つをもぎ取る活躍で初戴冠。「中学生でプロになった藤井さんをずっと目標にやってきた。自分をここまで引き上げていただいた」と謙虚な態度を崩さなかったが、今後については「終盤までどちらが勝つか分からないような熱戦を見せられるようにしたい」と意欲を見せた。
将棋叡王戦の最終局で藤井聡太八冠に勝利し、記者会見する伊藤匠・新叡王=20日午後、甲府市内のホテル