「毎月のあれ、寄越して」で発覚!かかった教育費2000万円を病の息子から搾り取る毒親の狂気

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2024年10月29日 22:11  All About

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夫が脳出血で倒れた時に、結婚以来、会ったこともなかった義両親に言われたことが衝撃だった。息子から“育てた費用”を返済してもらっているが、それが滞っているという。夫が、お金のことに関して秘密主義を貫いていた意図がようやくわかった。
結婚は二人の意志に基づくものだが、結婚すれば、もれなく相手の身内がついてくる場合もある。夫婦がともに元気であれば仕方ないと思えることでも、どちらかが病気になれば、まず危うくなるのは「わが家の経済」だ。

義父母の面倒など見ている場合ではないということもあり得る。

夫は結婚当初からお金に関して秘密主義

アヤカさん(42歳)は結婚する時、共働きは続けるものの家計の財布は一つにするつもりだったし、互いの給料も把握しておくべきだと思っていた。貯蓄も合算して増やしていきたかった。

「ただ、夫は自分の給料を知られるのを妙に嫌がっていました。家計としてある程度の額を入れる。やりくりはきみに任せる。足りなかったら言ってほしい。あとはそれぞれに貯めていこうと言い出して。それでもいいけど、たまったら合計して預け替えるとか投資するとか、そういうことも考えようねと提案したんです」

今思えば、結婚した13年前、夫はほとんど貯蓄もなかったのだろうとアヤカさんは言う。結婚式は二人の意志で挙げなかったが、友人たちを招いてのパーティは行った。ただ、そのときのお祝い金も、それぞれの友人からもらったものは分けた。彼女は、夫がどの程度もらってどういうお返しをしたのか知らない。

「夫は自身のスケジュールなどは共有してくるんです。でも、お金に関しては秘密主義。私は別に夫に隠すことなどないから、結婚して3年ほどたったころ、お互い預金を合わせて夫婦名義で株か何かに投資しないかと尋ねたんですが、『オレは普通の銀行預金でいいよ。冒険するつもりはないから』って。

私も大きな額を持っているわけじゃないけど、銀行やら信託やらへいって、今後の増やし方や投資の方法を教えてもらいました。動かさないでいいお金はそこに預けてある。長期で増やすつもりで」

夫は娘の教育費すら折半を貫く不思議

その後、ひとり娘を授かった。夫は生活費を少し増額して手渡すようになったが、アヤカさんの産休・育休期間はその額では足りず、彼女は自分の貯金を崩したこともある。

「足りなかったら言ってと言われても、私自身もバリバリに働いていたから、なかなか口に出せない。自分のお金を崩した方が早いと思ってしまって。プライドなのか夫への見栄なのか……。

とにかく夫がお金に関して秘密にするから、私もなんとなくオープンにしづらくなったんですよね」

娘の教育にかかる費用だけは夫にあらかじめ相談、夫も半額くらいは出してくれていた。娘を溺愛しているのに、それも半額なのかとアヤカさんは不思議に思っていた。

夫が病に倒れて自費診療を妻が支払うことに

そんな夫が3年ほど前、脳出血で倒れた。幸い一命はとりとめたが、そこからアヤカさんの苦労が始まった。

「夫は結構、後遺症が残ってしまって。リハビリ病院に入院していた時期もあるし、自宅療養の際も、毎日のように近所のリハビリクリニックに訪問してもらっていました。これは保険適用外だったんですが、夫がどうしてもやりたいというので」

病に倒れた夫に「自分の貯金から払ってね」とは言いづらく、アヤカさんはまたも自分の預金を崩した。それでも高額のリハビリを始めて半年ほどで夫はかなり回復、杖をついてゆっくり歩けるようにはなった。

その当時はコロナ禍で、夫の職場も在宅勤務が可能になった。夫は早く仕事に復帰したいと希望を伝えたが、会社側は退職を匂わせたという。

「夫は給与が下がってもいいと粘ったんです。それで時短勤務と同じような扱いにしてもらって、基本的には在宅勤務になりました」

そんな時だ。義父母から連絡があったのは。夫の病気については伝えておいたが、義父母からは見舞いすらなかった。コロナ禍だからしかたがないと思っていたアヤカさんだが、在宅で仕事ができるようになったことは伝えた。

「毎月のあれ、寄越すように言って」と義母

「すると義母が、『だったら毎月のあれ、寄越すように言って』というんです。『もう随分もらってないんだけど』と。何の話かと聞くと、『息子には大金を貸してるのよ。聞いてないの?』って。説明してほしいと言うと、息子を育てた費用を返してもらっていると言うんです。え、え、何それ……と、びっくりしました」

夫は両親の話をほとんどしたことがなかった。結婚後も、アヤカさんは夫の実家へ行ったことがない。夫はアヤカさんの実家へはたまに顔を出すので、「あなたの実家はいいの?」と聞いたこともあるが、うちはいいんだ、と言うばかりだった。

「大学を出すまでいくらかかったかわかる? 2000万くらい返してくれればいいけど、最近はまったく振り込みがないし、こっちも困ってるのというんです。もともと、子育てにかかった費用は子どもが大きくなったら回収するつもりだったと言うんですよ。なんだかもう、言葉が出ませんでした」

もう黙っていられず、夫を刺激しないようにしながら電話があったことを告げた。夫は顔をゆがめたという。

仕事を始めて約20年、毎月5万円で年に60万。夫から義父母に渡ったお金は1200万円にのぼる。ボーナス時には加算していたらしい。それでもまだ足りないと義父母はいうのだ。

病の息子に!?「返金という名の搾取」

「夫がお金の話をオープンにしなかったのは、それが原因でした。結婚して10年以上たって初めて知った事実。病気になった息子からも返金という名の搾取を続けるのかと私は腹が立ってしまったんですが、夫は少し待ってもらうよう自分から言うよと力なく言いました」

さらにあとから知ったのは、病死と聞いていた夫の弟が、実は兄弟で水遊びをしている時に事故で亡くなったという事実だった。夫が4歳の時の出来事だったが、両親はそれ以来、弟が水死したのは兄であるおまえのせいだと刷り込んだらしい。

「だから夫は黙ってお金を払い続けているんだと思います」

現在、夫は週に3回ほど出社できるようになり、給料もほぼ元に戻りつつある。だが出張などはできないため手当は激減した。

「夫と両親の間がどうなっているのかは、よく分かりません。夫はこれ以上、私に心配はかけたくないと。夫だって本調子じゃないのだから、もう少し腹を割って話してほしいとは思う。ただ、夫の気持ちを無視するようなことはしたくないし……。今はとにかく夫の体調に気を配りながら、私も頑張って働くしかないと思っています」

育てた費用を返せという親がいるとは、なんとも凄まじい話だと思うが、そんな夫をそばで見ている妻も切ないだろう。どこまで夫の気持ちを尊重すればいいのか時々分からなくなると、アヤカさんはつらそうにつぶやいた。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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  • 生活費として入れていたお金が母親の着物やカバンに化けてましたってのはわりとフツーに聞く…
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