＜中年デート＞仲のよいベテラン夫婦は「キモい」のか？子どもがいない日、夫にデートを提案されて複雑

わが子と行動する週末の過ごし方が、あるときを境に一変することがあります。きっかけの多くは、子どもの中学校入学。週末が部活動で潰れるようになるため、一緒に出かけることがめっきり減るのです。そもそも思春期という年頃でもあり、親と距離を取りたくなる子もいるのでしょう。
急に暇になった週末を、どう過ごすのか。ダンナさんから一緒に出かけることを提案され、戸惑う方からの投稿がママスタコミュニティにありました。

中年夫婦のデートはキモい？周りに嫌がられるのでは

下のお子さんが来春中学生になるため、フルタイムで働くことにした投稿者さん。お子さんに「日曜日も仕事を入れようかな。休みにしても、どうせ一緒に遊んでくれないもんね」と言ったところ、ダンナさんから「ふたりで出かければいいやん」と提案があったといいます。

『”ふたり”の意味がわからず尋ねたら、「俺とふたりで」。つきあっていた頃のように、一緒に映画や観劇に行きたいらしい。驚いて「まぁ、荷物持ちなら」と返しておいたけど。若い頃は手を繋いでいる中年夫婦を「キモい」と思っていたけど、自分たちが中年になった今は「素敵だな」と思うようになった。でも、周り的にはキモいのだろうね』

かつて自分が「気持ち悪い」と感じてきた行動をダンナさんが望んでいることに、戸惑っているといいます。そしてママたちにアドバイスを求めたのですが……。えっ？　そもそも中年夫婦がデートをするのは「気持ち悪い」のでしょうか？

『仲のいい中年夫婦が気持ち悪いなんて、思わないけど』

集まった回答のほぼすべてが、投稿者さんの考え方を疑問視するものでした。多くの人が仕事休みとなる週末、街中では一緒に出歩く中年、若年、老年とさまざまな世代のカップルを見かけます。「うちは一緒に出かけてるけど」と、夫婦仲よくお出かけしている報告も多数ありました。

『何がキモいの？　出かける＝手を繋ぐ、になるのも意味不明』

手を繋ぐのが照れくさいなら、一緒にいても繋がなければいいだけの話です。「そんなことを言ってくれるダンナさん、うらやましい」というコメントもありました。「新手のノロケかな？」という声も。長くデートをしておらず戸惑ったのでしょうが、拒否感を抱くところではない気がします。

微笑ましいのか、キモいのか？手を繋ぐことに込められた意味は

『夫婦で観劇や映画なんて、少しもキモくない。イチャイチャしていたら、さすがキモいけど』

公衆の面前でハードに絡み合っているのであれば、間違いなく「見たくない。勘弁して！」でしょう。でもそれは中年に限らずです。
では、手を繋ぐという行為はどうでしょう？　若いカップルであれば「初々しいな。かわいいな」と感じることもありそうです。老夫婦であれば「微笑ましい」かもしれません。足元がおぼつかず、手を繋ぐことでお互いをフォローし合っている可能性もあります。それでは中年は？　投稿者さんが周囲に「”気持ち悪い”と思われそう」と考えるのは、なぜでしょう。

『周りはなんとも思わない。「仲がよくて微笑ましい」と思ってくれるのでは』

コメントをくれた方々のほとんどが、こう考えていました。
ここ数年手を繋いでいない夫婦なら、照れくさく感じるのはわかります。しかし周囲にそんなことまでわかりませんし、何か思われたとしてもせいぜい「仲よしでいいね」程度。どう考えても、投稿者さんが意識し過ぎなのでは？

『いやいや。自分は若い頃、歳を重ねても夫婦仲がいいのはキモいとずっと思ってきたから』

投稿者さんは、あくまでそう考えていたと主張します。投稿者さんは、かつて「恋愛は若い世代のもの」と漠然と考えていたのでしょうか。自分が中年になったときのことなど、想像すらせずに。老夫婦ならお互いを支え合うために手を繋ぐことはあっても、中年夫婦がその年齢まで恋愛感情を抱き合っているとは考えられなかったわけです。

『うちは子どもが大きくなってから、夫婦でよく出かけるよ。手も繋ぐし、旅行や映画にもよく行く』

ごく当たり前のように手を繋いでいる夫婦もいます。出会った頃のような燃え上がる思いはなくても、ここまで助け合ってきた者同士の絆や、家族愛があるでしょう。大切な人に触れたいと思うのは自然なことですし、安心感を得られる場合もあります。お互いためらいなく、それができれば素敵ですよね。

他人は他人。自分たちが楽しいと思えることを選ぼう

『うちも子どもたちが巣立ってからは、夫婦であちこち行動してるよ。日帰り温泉とかドライブとか。子どもができる前のときめきとは違うけど、このまま仲よく楽しく過ごしたいと思っている』

お子さんたちが巣立ったあとは、ダンナさんとふたりだけです。投稿者さんは今のうちからその日のために”リハビリ”として、夫婦一緒の行動に慣れておいてはどうでしょう。「周囲に”キモい”と思われる」と考えているといいますが、少なくともコメント欄に集まったママたち＝周囲の誰もそんなことを考えていません。

『もうそれくらいの年齢になったらどう見られるかとか、周りの目なんて意識しなくていいよ』

かつての投稿者さんがそうだったように、仲のよい中年夫婦を見て嫌悪感を抱く人もいるのかもしれません。でも、きっとごく少数です。つまりよほどのレアケースを除き、人に迷惑がかかるわけではないのです。それならば自分たちが楽しいと思えることをするのが、一番。「最近はそういう夫婦を素敵だなと思うようになった」とも言うのですから、悩む必要はありません。

『ダンナと出かけるのが一番いい。なんでも言いたいことが言えるし、したいようにできる。遠慮も気兼ねもいらないし、お金も自由に使えてラクチン』

わざわざスケジュールを合わせなくてはいけない友達と違い、思いついたときにすぐ誘える。家族だから余計な気遣いも無用。今後ダンナさんが、一番よい遊び相手になる可能性は大です。照れくさいのであれば少し距離を空けながらでも、まずは近場にでも一緒にお出かけしてみてはどうでしょう。

文・鈴木麻子　編集・すずらん　イラスト・カヲルーン

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