家電量販大手のノジマは11日、パソコン(PC)メーカーのVAIO(長野県安曇野市)を約112億円で買収すると発表した。企業再生ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)から、発行済み株式の約93%を取得する。2025年1月6日に子会社化する予定。ノジマは携帯電話の販売代理店事業などで持つ営業網を活用し、法人向けPCの販売拡大を図る。
VAIOはソニー(現ソニーグループ)のPCブランドとしてスタート。スタイリッシュなデザインの製品が人気を集めたが、海外勢の台頭やスマートフォンの普及で収益が悪化し、14年にJIPへ売却された。
社名やブランド、事業運営方針などに変更はなく、経営陣も続投する。ノジマでの独占販売はしない。ソニーグループは、VAIO株4.7%の保有を続ける。
VAIOは法人向けに注力する戦略が奏功し、業績は回復傾向にある。ノジマは携帯代理店事業のほか、インターネット事業や金融なども手掛けており、互いの顧客基盤を活用して相乗効果の発揮を狙う。