仕事やプライベートで「なぜかうまくいく人」は、どんな言葉を使っているのか? 実は賢い人ほど、相手から期待通りのリアクションを引きだす「ズルくてうまい言いまわし」を日頃から駆使している。
どんな言葉を使えば物事がスムーズに進むのか? 様々なシチュエーションごとに「ダメな言い方」「うまい言い方」を解説した、ひろゆき氏の新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』から、テクニックの一部を紹介しよう。
◆会議で急に話を振られたときの切り返し
大勢が参加する会議であまり集中していなかったところ、「○○さん、ご意見をどうぞ」と急に進行役から意見を聞かれた。「特にありません」と言えばやる気がないと思われかねない……。こんなときの「うまい返事の仕方」はないでしょうか?
◆少数派の意見を代弁すると“それっぽく”聞こえます
これは「議論に参加していない人にまで突然意見を求めるのはどういう状況か?」を考えると、答えが出やすかったりします。
どんな会議でも、参加者全員からいい意見が出てくるとは限りません。それでも意見を聞くのは「何かいい意見が出たらラッキーなので、とりあえず聞いてみよう」的な考えがあるわけです。つまり、参加者が唸るようなことを言わなくてもよかったりするのです。
とはいえ、「特にありません」では使えないヤツと思われるし、奇をてらったり頭の悪そうなことを言おうものなら、後から白い目で見られたりします。
なので、こういうときはほかの参加者の考えが及ばない部分、例えば「外国人視点」など絡めてもっともらしい意見を言っておくのがいいです。少数派の意見を代弁するとそれっぽく聞こえるという効果があるので、それだけで「新たな視点を提供した」という受け止められ方をされるのです。
おじさんが若い女性スタッフに「女性から見たらどう思う?」とか意見を求める理由の多くは、自分にはない新たな視点が欲しいからです。実際にはたいした意見でなくても、女性の視点のないおじさんには新鮮だったりします。
もちろん、女性と一言で言っても年齢や就労状況、家庭環境、子供の有無などで考えは異なります。十把一絡げにして意見を言うことが無理なのは、ちょっと考えればわかるのですが、それでも「相手の考えが及ばないもっともらしい話」は、根拠がなくても突っ込まれにくいのです。
そんなふうに会議参加者や議題を踏まえて、「外国人が見たらこう思うんじゃないか?」とか「子供から見たらこう思うのでは?」みたいな、その場にいないカテゴリーの人の目線で考えてみる。たとえ根拠がない話でも、お茶を濁せたりすることも多いのです。
◆言い換えというパターンも
それが難しい場合は、誰かが言ったことの言い換えというパターンもあります。例えば、先に「世界を視野に入れたほうがいい」と言って納得されている人がいたら、「国内だとマーケットに限界がありますよね……」と言い換える。内容的にはほぼ同じことですが、すでに納得された内容を言い換えているので否定されもしませんし、先に言っている人からすれば味方に見えたりもするというオマケつきだったりもします。
ただし、連想ゲーム的に言い換える能力が必要になるので、自信のない人は控えたほうがいいです。
◆会議で急に話を振られたときの切り返しは…
× 特にありません
◎ 外国人から見たら、どう思うのかな?
構成/杉原光徳(ミドルマン)
―[賢い人が自然とやっているズルい言いまわし]―
【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』