原子力規制委員会を9月に退任した石渡明前委員が18日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。地震や津波など原発の自然災害対策を担当した同氏は、「日本は自然災害が起きやすい。原子力には特に厳しい規制が必要だ」と述べた。
自身が携わった日本原子力発電敦賀原発2号機の新規制基準への適合性審査では、規制委が13日、正式に「不適合」と決定した。石渡氏は論点を原子炉建屋近くの「K断層」に絞り、現地調査も2回行ったとした上で、「時間を節約したということはない。審査には十分時間をかけた」と強調した。
1月の能登半島地震については、関東大震災や1891年の濃尾地震に匹敵する規模だったと指摘。「(安全対策として)志賀原発や他の原発に取り入れる必要がある」と主張した。
石渡氏は岩石学・地質学が専門で、金沢大教授や東北大教授、日本地質学会会長を歴任。2014年から10年間規制委員を務めた。