フォード、伝統のバハ1000で『ブロンコDR』と『レンジャー・ラプター』が主要部門を制覇

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2024年11月21日 11:50  AUTOSPORT web

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Heavy Metal Limited(ヘビー・メタル・リミテッド)クラスにエントリーした専用開発の『ブロンコDR』(右)と、同Stock Mid-Size(ストック・ミッドサイズ)クラスの『レンジャー・ラプター』
 砂漠が最大のライバルとなるバハ・カリフォルニアの中心部にて、地球上でもっとも過酷なラリーレイドのひとつと称される北米最大のイベント、2024年『Baja 1000(バハ1000)』が11月17日にフィニッシュを迎え、総勢284台がエントリーした厳しい競争と寒さ、雨、そして複雑な地形をも乗り越え、83号車のマクミラン・レーシング・ビースト・アンリーシュド/BFグッドリッチのルーク・マクミラン/ロブ・マッカークレン組がトロフィー・トラッククラス参戦の34台を抑えて総合優勝を達成。

 さらにヘビー・メタル・リミテッドクラスにエントリーした専用開発の『ブロンコDR』と、グローバルに入手可能な量産トラックをベースとする『レンジャー・ラプター』もストック・ミッドサイズクラスを制覇するなど、フォード勢がラフロードでの強さを証明している。

 予選でポールシッターとなったブライス・メンジーズや、オーストラリア出身のスター選手であるトビー・プライスらとの勝負を繰り広げ、この4年間で3度目の総合優勝を飾ったマクミラン/マッカークレン組は、テクニカルな設定となった864.13マイル(約1390km)のコースを合計15時間54分37秒で走破。メイソン・モータースポーツ製の専用4WDトラックがトップ5を占拠したなかにあって、マクミラン家は親子3代、マッカークレンにとっても通算7回目の大会制覇となった。

 一方、フォードが肝入りで“専用デザート・レーサー”の開発を担当した『ブロンコDR』をドライブしたブラッド&ロジャー・ラヴェル組も、今季出場した前哨戦すべてのレースで勝利を飾ってきた最新型のパフォーマンスを証明し、その最終仕上げとなる864マイルでもクラス優勝を成し遂げた。

「今年はバハがいかに過酷であるかが際立っていた」と全区間でドライブを担当したブラッド・ラヴェル。

「北米でもっとも過酷なレースと言われているが、私はそれが真実だと確信している。かなり長い間、この『ブロンコDR』のテストに関わってきたが、このレースに出場する機会をずっと望んでいたんだ」

「それは我々が設計した車両であり、活気があり、生き生きと楽しいレース専用車に仕上げた。バハにおけるブロンコの伝統を理解し、その一部になれたことは圧倒的な喜びだ。ブロンコは実用的でオールマイティだが、バハでは特別な精神と地位を持っているからね」

■フォードが『バハ1000』に見出す価値

 そのブロンコの名称は1969年に初の総合優勝を果たした際に伝説的な地位を獲得し、当時は唯一の四輪駆動車としてその性能を誇示した。

「バハでのブロンコの歴史は、我々が非常に誇りに思っているものだ。オフロードレースは当初からブロンコの精神の一部だったんだ」と語るのは、お馴染み同社のモータースポーツ部門であるフォード・パフォーマンスにて、グローバルディレクターを務めるマーク・ラッシュブルック。

「これは50年以上前に始まった物語を継続することでもあり、この『ブロンコDR』はその伝統を体現した最新のモデルだ」

「ブロンコの能力をその自然の生息地で究極的に表現しており、量産型の頑丈さと性能を反映し、それをさらに発展させた我々の技術の証でもあるんだ」

 同じく頑強なシャシーフレームに直噴ツインターボの3.0リッターEcoBoost(エコブースト)を搭載し、脚元にはFOX製のサスペンションを備えるなど、世界規模の量産トラックに搭載されているのと同一の仕様で挑んだ『レンジャー・ラプター』は、レース中に重要なパフォーマンスデータを収集するための MoTeC製ロガーを搭載した程度で全行程を走破。複数ペアの手でクラス優勝の栄誉を勝ち獲った。

「今年のバハは、僕たちにあらゆるものを与えてくれた」と語るのは773号車のスタートを担当したローレン・ヒーリー。

「昨夜はいくつかの試練と苦難と戦ったが、この素晴らしいフォード・パフォーマンスのチームは、暗闇、寒さ、雨のなか、これに全身全霊を尽くした。ここにいる全員を本当に誇りに思うよ」

 ドライバーたちの言葉を受け、前出のラッシュブルックも改めて「バハ1000は過酷だ」と強調した。

「トラックのあらゆる部分を限界まで追い込み、ドライバーとチームにすべてを要求する。これは単にフィニッシュラインを越え、勝利を得ることだけではない。我々の車両がバハと同じくらい厳しい課題に挑み、それを克服できることを証明する点に価値があるんだ」

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