かつては中山競馬場で行われていたが、2014年から阪神競馬場に移設されたマイルGI競走。今年は阪神競馬場スタンドリフレッシュ工事に伴い、京都競馬場Dコースで行われる事となった。京都競馬場芝1600mは2コーナー奥の引込み線からスタートして外回りコースを使用するが、今年の場合はコース形態以上に傷みが目立つ馬場への適性を重要視したい。
◎アルテヴェローチェはサウジアラビアRC優勝馬。デビュー戦は開幕2週目で馬場コンディションが良いとはいえ洋芝の札幌競馬場芝1500mで、最後2ハロンが11.6秒、11.5秒という加速ラップの中、残り200m付近で先頭に立って後続を退け、小雨降る中のやや重馬場で行われたデビュー2戦目のサウジアラビアRCは、好スタートから1度下げての大外一気を決めた。現在の京都競馬場芝コースに対する適性は高そうだ。
〇トータルクラリティは京都競馬場芝1600m新馬戦優勝馬。大外枠から、やや口を割りながらの追走だったが、ギリギリのところで折り合いをつけて、最後は11.4秒、10.9秒の加速ラップを大外から差し切った。続く新潟2歳Sでは、結果的に逃げ先行馬が総崩れとなる展開の中3番手追走から早めに先頭に立ち、1度は交わされながらも差し返す勝負根性と高い心肺機能を証明してみせた。
▲ニタモノドウシはクローバー賞レコード勝ち。福島競馬場芝1200mのデビュー戦は大きく立ち遅れながらも、良い脚を長く使ってリカバリーし、最後は大外一気。レースラップが11.5秒、11.7秒だから価値が高く、それを札幌競馬場でも証明してみせた。エンジンのかかりが遅いものの追われてから沈み込むようなフットワークが印象に残る1頭で、まだ奥がありそうだ。
△タイセイカレントはサウジアラビアRC2着。大きく出遅れたが、自分のペースを守り、最後3ハロンの推定タイムは勝ったアルテヴェローチェを上回った。この馬も傷んだ馬場に対する適性を証明している。
サウジアラビアRCで1番人気を裏切った△アルレッキーノの巻き返しと、不敗のまま京王杯2歳Sに勝った△パンジャタワー。そして、過去3戦すべてで最速上がりタイムを記録している△ミュージアムマイルは押さえておきたい。