読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄さんの死去を受け、与野党からは19日、悼む声が相次いだ。石破茂首相は首相官邸で記者団の取材に応じ、「偉大なジャーナリストだった。党や民主主義の在り方、日本の平和国家としての歩みについて、まだまだ教えてほしかった」と述べた。
自民党の岸田文雄前首相は記者団に「言論人として、大きな影響を日本の戦後の歴史に残された。一つの時代が終わった」としのんだ。親交が深かった故中曽根康弘元首相の長男弘文元外相は「まさに巨星落つ。父とは志を同じくする友人だった」とのコメントを出した。
立憲民主党の小沢一郎衆院議員は記者団に、渡辺さんが旧民主党時代の2007年、自民との大連立構想を仲介したことに触れ、「鋭い政治感覚の持ち主だった」と回想。立民の野田佳彦代表は取材に、首相在任時の尖閣諸島の国有化を巡り、首相公邸で相談したことを明かし、「責任感の強い、実行力のある方で、本当に助けられた」と振り返った。
公明党の斉藤鉄夫代表は記者団に「スポーツ、文化芸術の分野にも鋭い識見を持ち、世の中をリードしてきた」と悼み、国民民主党の玉木雄一郎代表(役職停止中)はX(旧ツイッター)に「衆院選後の党の在り方について意見を伺いたかった」と投稿。日本維新の会の前原誠司共同代表は記者会見で「政治に対する見識、慧眼(けいがん)、見立ては本当に勉強になった」と語った。