政府は23日、重要土地等調査法に基づく「土地等利用状況審議会」を開き、安全保障上重要な施設周辺の土地・建物に関し、外国人・外国法人の取得状況を公表した。2023年度の取引全体に占める割合は2.2%。最多は中国だった。公表は22年の同法施行後初めて。施設への妨害電波発射など「阻害行為」は確認されなかった。
同法は、基地や原発など重要施設の周囲1キロや国境離島を「注視区域」や「特別注視区域」と規定。これまでに583区域を指定した。
今回の調査対象は、23年度までに指定した399区域。取引件数は1万6862件で、371件が外国人・外国法人によるものだった。このうち、特別注視区域の周辺は30件。24年度に指定した沖縄県の在日米軍施設は含まれない。
国・地域別では、最多の中国が54.7%。韓国13.2%、台湾12.4%と続いた。区域別では、取引のあった全20都道府県のうち、防衛省市ケ谷庁舎(東京都)の104件、補給統制本部(同)の39件など、都市部の施設周辺が上位を占めた。内閣府によると、アパートやマンションの取得が約8割に上る。