限定公開( 1 )
東京電力福島第1原発事故から14年になるのを前に、東電は20日、福島第1原発構内を毎日新聞に公開した。汚染水を貯蔵するタンクの解体が始まり、タンク群が並ぶ構内の姿は変わろうとしていた。一方、廃炉の最難関とされる溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しは始まったばかりで、本格的な取り出しに向けた調査は途上だ。最長40年とする廃炉への道のりは見通せない。
事故直後に汚染水をためるために建設された「横置きタンク」は、水の移送が完了し、2024年11月から解体が始まった。解体用の施設では次々とタンクが切断されていた。海洋放出した処理水のタンクも近く解体され、空いた敷地は燃料デブリの関連施設に充てられる。
燃料デブリを取り出した2号機は高線量のため立ち入れず、代わりに同型で事故を免れた5号機の原子炉の下に入った。格納容器内部に通じる穴は直径わずか約55センチ。2号機ではこの穴から取り出し装置を挿入し、原子炉を支える土台(ペデスタル)底部で燃料デブリを採取した。
1〜3号機に約880トンあると推計される燃料デブリのうち、採取したのは0・7グラム。今後の取り出しには燃料デブリの分析や格納容器の内部調査が不可欠だ。東電の担当者は「性質は(採取した)1粒ではわからず、今後の取り出しでわかってくる」とし、1、3号機については「2号機の状況は参考になるが、各号機で性質が違うので調査が必要になる」と話した。【木許はるみ】
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