政府は28日の閣議で、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」を世界文化遺産候補として国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦する方針を了解した。2026年の登録を目指す。
阿部俊子文部科学相は閣議後の記者会見で「登録が実現するよう関係自治体と連携し取り組んでいく」と述べた。ユネスコへの推薦書の提出期限は31日で、政府は近く提出する。ユネスコ諮問機関の現地調査や勧告を経て、26年夏の世界遺産委員会で登録の可否が審議される見通し。
飛鳥・藤原は、日本で初めて生まれた古代国家の宮都の遺跡群。飛鳥宮跡や藤原宮跡、高松塚古墳などで構成される。文化審議会は「中央集権体制が誕生、成立した過程を、宮都の変遷から示すことができる唯一無二の資産だ」と評価した。
高松塚古墳=2014年10月、奈良県明日香村