レッドブル・レーシングの2025年に向けた重要なパズルのピースがはまったようだ。チームは、リアム・ローソンのF1初フルシーズンをサポートするレースエンジニアを任命した。報道によると、以前はセルジオ・ペレスのパフォーマンスエンジニアを務めていたリチャード・ウッドがローソンを担当するという。
ウッドの任命は、レッドブルのエンジニアリングチーム内の移行期間を経て行われた。彼は昨年のオランダGPで、セルジオ・ペレスの長年のレースエンジニアであるヒュー・バードが育児休暇を取っていたときに代理を務めた。現在はバードがファクトリーを拠点とする職務に異動しているため、ウッドはフルタイムでローソンのレースエンジニアを務めることになる。
■ローソンの大きな挑戦
22歳のニュージーランド人ドライバーであるローソンがレッドブルに加入したことに、大きな期待が寄せられている。ローソンはセルジオ・ペレスのシートを引き継ぐが、ペレスの2024年シーズンは期待を下回るものであり、チーム全体のパフォーマンスによってコンストラクターズ選手権は3位と残念な結果に終わった。
ローソンは、F1にわずか11回しか出場していないにもかかわらず、途方もない課題に直面している。彼はトップチームのプレッシャーに素早く適応するだけでなく、過去のチームメイトにとって手に負えないほど脅威的なベンチマークを打ち立てたドライバーであるマックス・フェルスタッペンと並んで、パフォーマンスを発揮する方法を見つけなければならない。
ピエール・ガスリー(アルピーヌ)とアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は、ともに才能あるレーサーだが、フェルスタッペンに一貫して挑むにあたって苦戦したため、最終的に彼らのレッドブル在籍期間は短かった。ローソンの挑戦は、このパターンを打破し、そうした経験から学び、レッドブルの厳しい環境のなかで成功への独自の道を切り開くことだ。
これは大きな賭けだが、この若きスターは挑戦を受け入れる準備ができているようだ。
「彼ら(ガスリーとアルボン)がそこにいた時に何を感じていたのかはわからない」とローソンは『PlanetF1』に語った。
「部外者として見ていたら、『彼らはこう感じたようだ』などと言えるだろう。でも、彼らにとってそれがどのようなものであったのか僕にはわからない」
「マックスに対抗しようとするドライバーは現実的になり、彼が現在グリッド上で最速のドライバーであることと、予選で0.5秒差で彼を上回ることはできないことを認識する必要があると思う。実際にそのようなことにはならない」
「僕にとってこれは、最高のドライバーから学ぶ機会だ」
実際、ローソンはフェルスタッペンを乗り越えられない障害としてではなく、貴重なリソースとして見ている。
「ドライバーとしての僕にとっては、4度の世界チャンピオンであり、経験豊富なドライバーと対戦できるということだ。彼は長年あのマシンに乗ってきた」
「あのマシンは、ほとんど彼を中心に開発されたというわけではないが、彼はマシン開発に大きく貢献し、そのことをとてもよく理解している」
「それをドライブする方法については、すべて書き記されている」
そして、フェルスタッペンのような実力を持つドライバーに触れて学べる機会こそが、ローソンを本当に興奮させているものだ。
「彼が持ち込むすべてのデータを見る。ドライバーである僕はその横にいて、彼から学ぶことができる。そうしたものすべてに触れられることが、このチャンスのなかで興奮させられる部分だと思う」
トップドライバーと仕事をした経験を持つ、ベテランエンジニアのウッドが味方についているので、ローソンはルーキーシーズンの複雑さを乗り越えるために必要なサポートを受けることができる。舞台は整い、照明は明るくなっている。ローソンはレッドブルの歴史に自らの章を書き加える準備ができている。