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今回は、加給年金の「生計を維持されている配偶者」と「扶養に入っている配偶者」との違いについてです。
Q:加給年金の「生計を維持されている配偶者」は、「年金の扶養に入っている配偶者」と違うの?
「加給年金という制度にでてくる『生計を維持されている配偶者』は、『扶養に入っている配偶者』と違う意味なんですか?」(50歳・会社員)A:加給年金の「生計を維持されている配偶者」は被扶養者と所得要件が異なります
「生計維持」と「扶養」、この2つは社会保険(健康保険と年金)の用語で、使われる目的が違いますので、それを知っておきましょう。「生計を維持されている配偶者」とは、加給年金という年金版家族手当の受給要件としてでてきます。これにあてはまる配偶者がいれば、配偶者加給年金額が、老齢厚生年金にプラスされます。
「生計を維持されている配偶者」として認められるためには、「生計を維持されている配偶者」が65歳未満で、「生計を維持している本人」と同居(または、別居の場合でも仕送りされている)していること、かつ前年の年収が850万円(または所得655万5000円)未満であるという要件を満たす必要があります。
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「年収130万円未満」は過去の年収ではなく、被扶養者に該当するかを判断する時点以降の、将来的な年間見込み額です。見込み年収に失業等手当や傷病手当金、障害年金等も含まれます。
文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
(文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士))