65歳の誕生日を前に記者会見される天皇陛下=20日、皇居・宮殿「石橋の間」(代表撮影) 天皇陛下は23日、65歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、皇居・宮殿で記者会見。日本で80年間、戦争のない時代が続いていることを「ありがたいこと」と述べ、戦後80年の今年を「平和の尊さを心に刻み、平和への思いを新たにする機会になれば」と語った。
先の大戦では、世界各国で多くの尊い命が失われたことを「大変痛ましく思います」と述べ、「戦争を知らない世代に、悲惨な体験や歴史が伝えられていくことが大切」と指摘。上皇ご夫妻からは、平和への思いを折に触れて聞いているとし、「上皇陛下のお気持ちをしっかりと受け継ぎ、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、象徴としての責務を果たすべくなお一層努めてまいりたい」と決意を述べた。
昨年、地震と豪雨に見舞われた能登半島を皇后さまと3度訪問。「少しでも力になるのであれば」との思いだったと振り返り、被災地の復旧・復興を願った。宮内庁参与を務めた政治学者の故五百旗頭真さんの著書「大災害の時代」にも触れ、「いま一度私たちの備えを確認する必要があると強く感じます」と話した。
私的な時間には、皇居内でのジョギングや皇后さまとの散策のほか、ビオラやバイオリンの練習を続け、ピアノを弾くこともあると紹介。犬の「由莉」や猫の「セブン」も交え、ご一家で「和やかな時間を過ごしています」と話した。
昨年春、日本赤十字社に就職した長女愛子さまについて「視野を広げ、さらに成長していってほしい」と期待。18歳の成年となった秋篠宮家の長男悠仁さまには「皇室の一員としての務めを果たしてくれていることを頼もしく思います」と語った。右大腿(だいたい)骨を骨折した上皇后さまについては「順調にご快復(かいふく)になっておられることに安堵(あんど)しております」と話した。