冬将軍 シベリアへ帰還 短時間のドカ雪の後は雪崩や融雪災害 花粉の本格飛散に注意

9

2025年02月25日 18:08  日本気象協会

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日本気象協会

冬将軍 シベリアへ帰還 短時間のドカ雪の後は雪崩や融雪災害 花粉の本格飛散に注意

このあとの北陸地方は、今週末の3月2日(日)頃をピークに暖気優勢となる見込みです。寒波がもたらした積雪は、時間とともに重く硬く滑りやすく変わっていきます。屋根からの落雪、雪崩や融雪による浸水害・土砂災害などに十分注意して下さい。また、まもなくスギ花粉の飛散が本格的に始まるでしょう。ただこの先、3月になっても寒の戻りはある見込みです。寒暖差が大きいので引き続き体調管理に十分注意してお過ごし下さい。



●寒波の影響 短時間のドカ雪 日々の積雪深が平年比で1000%超も


図は主な8地点の累積降雪量平年比(11/1〜2/24)と24日の日最深積雪の平年比をまとめたものです。前者はこの8地点の降雪量がこの期間トータルでは72%〜119%の範囲内にあることを示しています。一方、後者は特定の一日の積雪深の平年値を基準としたものではありますが、平年比が1000%を超える地点が複数観測されています。

特に小浜の事例では、11/1〜2/24迄の期間トータルの累積降雪量平年比は72%で、先日の立春寒波を含めても2月中旬頃にかけて顕著な降雪はありませんでした。ただ、今回の寒波では、特に20日と21日に降雪が集中し、短時間のドカ雪となりました。

冬の3か月で毎日1cmの降雪があっても期間合計では90cm、一方、1日30cmの降雪がたった三日のみであっても期間合計では同じく90cmとなります。3か月合計だけをみれば同じ見え方になりますが、日常生活への影響は全く異なります。地球温暖化が進行し、気温の上昇のみにとどまらず、海水温も上昇傾向が続く中、来シーズン以降も、強烈寒気が南下すると、短時間強雪、短期集中のドカ雪となることがありますので注意が必要です。


●3月2日をピークに気温上昇 桜が開花する頃の陽気も


図は3月2日の上空1500メートル付近の気温予想を示したものです。南から暖気が流れ込み、西日本や東日本の広い範囲が+6度以上の暖気で覆われる予想となっています。これは、良く晴れて風の条件等が整えば、気温が20度以上にもなる暖気です。

ただ、このまま一足飛びに春には向かいません。平地でもまだ降雪となる日が見込まれ、寒の戻りがあるでしょう。この先も寒暖差が大きいので体調管理には十分注意して下さい。


●雪崩 融雪災害に十分注意


標高の高い所でも、雪解けが急速に進むでしょう。融雪が進むと、地中の水分が多くなり、がけ崩れや地滑りなどの土砂災害の危険性が高まる所が出てきますので十分な注意が必要です。

また、斜面に積もった雪が崩落する雪崩が発生する危険が高まるでしょう。特にこの時期は「全層なだれ」が発生しやすく、流れ下る速度や距離は「表層なだれ」に比べて小さいものの、破壊力が大きくなる傾向があり危険なものがあります。前兆現象を伴うことが多く、雪の斜面にひび割れやしわができる、あるいは融雪が急に増えるなど、ふだんと違う現象が現れた時は危険性が高まっていることがあり十分注意して下さい。

また、積雪は、融解・凍結を繰り返すことで、積雪層の間に氷の層を含んだり、新雪の時よりも重く硬く滑りやすい状態に変わっていきます。今冬は落雪による死亡事例も複数確認されており、屋根からの落雪にはくれぐれも十分注意して下さい。


●スギ花粉シーズンは目前


2月19日、日本気象協会は「2025年春の花粉飛散予測 第4報」を発表しました。
立春寒波に続く今回の長引く寒波はようやく終わり、北陸地方ではまもなく、本格的なスギ花粉シーズンを迎えるでしょう。

「規則正しい生活」「十分な栄養と休養を取る」「家の中に持ち込まない」ことがとても大切ですが、それでも、花粉症のつらい症状があらわれた場合には、早めに専門医に相談することも検討しましょう。



このニュースに関するつぶやき

  • ロシア軍も本国に帰還すれば良いものを
    • イイネ!1
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(8件)

前日のランキングへ

ニュース設定