ハイパーカー勢力図は激変? フェラーリとキャデラックは「別次元にいる」とトヨタ小林可夢偉

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2025年02月26日 21:50  AUTOSPORT web

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サーキット近くのショッピングエリア、ルサイル・ブールバードで行われたWECの公式写真撮影に登場した参戦車両
 トヨタGAZOO Racingのチーム代表兼ドライバーである小林可夢偉は、今週カタールで開催されるWEC世界耐久選手権の第1戦に向けて、ハイパーカークラスのフェラーリとキャデラックはライバルと比べた際に「別次元」にいると考えている。

 可夢偉はルサイル・インターナショナル・サーキットでの開幕戦『カタール1812km』レースの最初のプラクティスに先立ち、Sportscar365の取材に対してこの発言をした。

■「僕らはおそらく10位争いをしている」と可夢偉

 開幕前週に行われた2日間の“プロローグ”テストでは、可夢偉がニック・デ・フリース、マイク・コンウェイと走らせる7号車GR010ハイブリッドが18台のハイパーカーのうち総合7番手。ベストタイムを記録したBMW Mハイブリッド V8からは0.578秒遅れた。

 セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮の8号車は同11番手となり、これはトップタイムから1秒以上遅いものだった。

 金曜日に控える開幕戦の10時間レースを見据えて、可夢偉はトヨタが昨年WEC初登場となったこのコースで苦戦したため、またもやダメージを抑える週末を迎えていると認めた。

「純粋なペースで言えば、僕らはおそらく10位争いをしていると思います」と可夢偉はSportscar365に対し語った。

「フェラーリとキャデラックは、すでに5台で、彼らは別次元にいます」

「また、ポルシェもアルピーヌも速そうです。僕としては運転はうまくいっているし、マシンの感触も良いのですが、ラップタイムを見ると別次元です。これが現状です」

「我々は、ここではただポイントを獲得する必要があります。なぜなら、ここでは(長距離レースの)追加ポイントがあるからです。昨年、ここで優勝したマシン(6号車ポルシェ)がドライバーズ・チャンピオンシップを獲得したので、これはかなり大きなことです」

 カタールラウンドのBoP(性能調整)によると、トヨタGR010ハイブリッドは、ポルシェ963と並んでハイパーカークラスで最重量となる1064kgでシーズン開幕を迎える。対照的に、キャデラックVシリーズ.Rは最低重量の1030kg、フェラーリ499Pは1037kgで一年をスタートする。

 ハートレーはトヨタの競争力について意見を求められたとき、可夢偉のコメントに同調し、アルピーヌがフェラーリとキャデラックに次ぐ第3の勢力になると予想した。

「ロングランを見ると、明らかに先頭に立っているふたつのチームがある」とハートレーはSportscar365に語った。

「おそらく、先頭で戦えるもうひとつのチームがあり、残りのポイントを争う大きな中団グループがあるだろう」

「プロローグを見ると僕らは中団にいるので、何とかしてその先頭に立ち、できるだけ多くのポイントを獲得する必要がある」

「僕は非現実的にはなりたくないし、僕らに勝利のチャンスがあると言うつもりはない。このトラック、そしてこの状況では、レース中に何か(特別なこと)が起こらない限り、僕らに勝利のチャンスはないと思う」

「昨年、ここは僕らにとってベストなトラックではないことが分かったので、今年の残りのレースが悲観的というわけではないけど、厳しいレースになると予想している」

■「マシンの挙動にはかなり満足」とフェラーリは余裕?

 一方、フェラーリAFコルセで50号車フェラーリ499Pをドライブするニクラス・ニールセンはプロローグ後、フェラーリのチャンスについては軽視したが、昨年のルサイルでの開幕戦と比べてマシンの競争力は高まっていると、メディアに対し語った。

「基本的に、自分たちのことに集中していた」とニールセンはプロローグを振り返る。

「他のマシンが何をしているのか理解するのは難しかった。ポルシェは特にロングランをせず、トヨタも読みにくかった」

「自分たちが手にしているものは把握しているし、マシンの挙動にはかなり満足している。レースでも同じ状況になることを願っているが、様子を見なければならないね」

「昨年と比べて良かったのは、より準備が整ったと感じ、より良い位置にいるということだ」

 プロローグにおいてフェラーリの中でもっとも速かったのは、サテライトチームであるAFコルセの83号車だった。ロバート・クビサは、BMWの20号車と、キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA38号車のセバスチャン・ブルデーに続く、総合3番手タイムを記録している。

 クビサはSportscar365に次のように語った。

「プロローグでは、クルマの感触は良かった。昨年よりも良い感触だと言える。これは期待できる」

「競争力がないと言ったら、もちろん嘘になるだろう。ここで良い成績を収めるための要素はすべてそろっている。だけど、同じような状況に陥ったことは何度もあり、がっかりして家に帰った」

「表彰台は難しいだろう。すべてをうまくまとめ上げなければならない。プロローグを見た人々は、表彰台が最低限の目標だと思われているかもしれないが、それができれば素晴らしい成果となるだろう」

 一方、プロローグを5番手タイムで終えた12号車キャデラックのクルーの一員であるウィル・スティーブンスは、新しいパートナーであるJOTAとの初レースを前に、プロローグでのVシリーズ.Rのパフォーマンスに満足感を示している。

「全員が一緒に作業する初めてのレースであることを考えると、プロローグの最初のセッションでのスタートの出来には満足している」とスティーブンス。

「確かに、僕らは混戦に入っている。そこには速いクルマがたくさんあり、誰もが好成績を収めるチャンスがある。だけど、僕らは僕らの初期の出来には、満足すべきだよ」

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