7号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタ・ガズー・レーシング) 2025年WEC第1戦カタール 2月27日、WEC世界耐久選手権開幕戦『カタール1812km』の公式予選がルサイル・インターナショナル・サーキットで行われた。ハイパーカークラスに参戦しているトヨタ・ガズー・レーシングは2台のトヨタGR010ハイブリッドで同セッションに臨み、ニック・デ・フリースがドライブした7号車が予選から二次予選の“ハイパーポール”に進み7番手グリッドを獲得。一方、ブレンドン・ハートレー駆る8号車はアタック中のミスが響き、クラス最後列から決勝をスタートすることとなった。
26日水曜に幕を開けた2025年シーズン開幕イベントは、レースウイークの2日目に突入。明けた27日木曜はフリープラクティス3(FP3)と予選およびハイパーポールが実施された。
中東の砂漠地帯では珍しく、トラックに雨が落ちるなか行われたFP3で、トヨタの2台はセバスチャン・ブエミ/ハートレー/平川亮組8号車が12番手、マイク・コンウェイ/小林可夢偉/デ・フリース組7号車も17番手と、トップの背中が遠いタイム/順位に終わる。
同日の日没後に行われた予選でも厳しい戦況は変わらず。それでも7号車に乗り込んだデ・フリースは12分間の予選でトップ10圏内に入る9番手タイムをマークし、18台中10台が進出できる二次予選ハイパーポールに駒を進めた。
昨年はここカタールで、デビュー戦ながら予選2番手を獲得したデ・フリースは、新品のミディアムタイヤを装着して果敢に攻め最初のタイムアタックで1分39秒279をマーク。暫定5番手につけた。その後ライバル勢がタイムを更新してきたことで7号車は最終的に7番手に。チェッカーラップの逆転劇で15号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)からポールの座を奪った51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)とのタイム差は0.920秒だった。
「最終的に7番手グリッドを獲得できたことは、現段階の我々にできる最大の結果だと思うし、満足している」と語るのは、コンウェイ、可夢偉と7号車をシェアするデ・フリース。
「ここに来て、これまで僕たちは最強ではなかったが、ずっとチャレンジを続けてきた。それだけに、今日はチーム一丸となって結果を出せたことは決勝に向けて重要だ。明日は厳しいレースになると思うがクリーンに戦い、チャンスを最大限に活かして多くのポイントを獲得できればいいなと思っている」
一方、姉妹車の8号車はこちらも昨シーズンに引き続きハートレーが予選を担当するも、スピンやコースオフの影響で1周を通したアタックができず。ハイパーポール進出を逃すだけでなく、1分46秒289というタイムでハイパーカークラス最後尾に。
最終的には予選タイム抹消のペナルティを受けた車両が出たため順位がひとつ繰り上がり、最後列の17番手から28日の決勝レースで巻き返しを図ることとなった。
「予選はうまくいかなかった」と肩を落としたハートレー。「最初のアタックラップまでにタイヤを充分に温めきれず、最初のセクターで後れを取った。加えてターン15でも車体がコースに底付きし、スピンしてしまった」
「最後にもう一度アタックしたのだけど、ターン12でふたたび底を打ってコースを外れてしまい結局、満足なアタックラップを刻むことができなかった。練習走行時と同じラインを走っての結果なので、データを見直す必要がある」
「ポジティブな面としては、僕もセバスチャン(・ブエミ)も、(平川)亮も練習走行では本当に好調だったし、クルマのフィーリングも良かったので、今日のこの予選のことは早く忘れ、決勝に向けて気持ちを切り替えようと思う」
その決勝レースは1812km/最大10時間で争われる。スタートは当初の予定から2時間繰り下げられた28日金曜14時(日本時間20時)の予定だ。