
松本人志と中居正広がいなくなったバラエティ界で、急激に存在感を増しているのが嵐の二宮和也だ。4月期ではゴールデンタイムで新たな冠番組がスタートするほか、3月にはAmazonプライムビデオでもMCを務める番組が配信される。
二宮の単独初冠番組は、2013年4月に始まった日本テレビ系『ニノさん』にさかのぼる。当初は深夜番組だった3月の放送後、1クール空けて日曜のお昼に移動し、6年半定着。2020年4月に日曜の午前中に移動した後、2024年10月からは金曜19時台とゴールデンタイムに昇格した。
そして、今年の4月から始まる新たな冠番組がTBS系『ニノなのに』である。“○○なのに”をキーワードにさまざまが事柄を掘り下げるこの番組は、2024年11月と2025年1月にスペシャル版を放送。さらに、3月12日には3回目のスペシャル版が放送され、4月からレギュラー化されることとなる。
地上波のゴールデンタイムに2つの冠番組を持つことになる二宮だが、その活躍の場はネットにも広がっている。二宮とオードリー若林正恭がMCを務めるサバイバルバラエティ番組『シークレットNGハウス』が、3月27日からAmazonプライムビデオで配信。この番組は、MCである二宮と若林が密かに“絶対にしてはいけない行動”を設定。何がNG行動なのかわからない中でプレイヤーたちがアクティビティにチャレンジし、3回NG行動をしたら脱落するというサバイバルゲームとなっている。
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バラエティ番組のMCとして飛躍する二宮だが、俳優業も順調だ。2024年12月公開の映画『【推しの子】-The Final Act-』では、謎に包まれた男・カミキヒカルを怪演したかと思えば、2025年前期のNHK連続テレビ小説『あんぱん』では、漫画家やなせたかしをモデルとした柳井嵩(北村匠海)の父・柳井清を演じ、朝ドラ初出演を果たす。
さらにその活動の場は、俳優業やタレント業だけでなく、文筆業にも広がっている。2024年11月には、雑誌『MORE』(集英社)での連載をまとめた『二宮和也のIt[一途]』(同)が発売され、2025年6月には初の新書となる『独断と偏見』(タイトル仮)が集英社新書から刊行される予定だ。
2023年10月に旧ジャニーズ事務所であるSMILE-UP.を退所し、独立した二宮。活動のペースが落ちるのではないかと囁かれたこともあったが、蓋を開けてみればより一層精力的にソロ活動を進めている。テレビ局関係者はこう話す。
「中居正広さんの騒動の影響もあり、タレントさんにオファーをする際に“プライベートに問題があるかどうか”が大きな選考基準になっているのは事実。二宮さんは、結婚前はいくつか熱愛話もありましたが、悪い噂はまったくなかった。また、結婚後はそのクリーンなイメージがより強くなっている印象があります。人気が高いうえに“リスクが少ない”“安心感がある”タレントだということで、オファーが増えるのは当然。それこそ中居さんのいたポジションをごっそり持っていく勢いです」
かつてジャニーズ事務所の所属タレントは結婚をすると人気が落ちると言われていたこともあった。今でもそういった側面もあるだろうが、二宮の場合、結婚後のほうがより活躍しているとも言えそうだ。エンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏はこう話す。
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「たとえば、元SMAPの木村拓哉さんなどは、グループ時代に結婚していますが、必ずしも結婚によって人気が下がったということはなかったはず。さらに、最近はCocomiさんとKoki,さんという2人の娘の活躍もあり、木村家全体に対する好感度も高まっています。長い目で見ると、結婚したことで仕事の幅が広がっていると言えるでしょう。二宮さんについては、メディアで家族に言及することはほとんどありませんが、木村さんと同様のパターンで支持層を広げているように見えます。現在の二宮さんの活躍は、“アイドルは結婚してはいけない”という価値観が時代遅れだということを証明するものだと思います」
さらに二宮は、2025年9月から10月にかけて、全国5カ所でのファンクラブイベントを開催する。各会場でトークとミニライブが行われるという。
「メディアでの活動の幅が広がると、ファンと直接会う機会がどんどん減っていくものですが、ファンクラブイベントを開催して、長く応援し続けているファンへのサービスをしっかりするというのは、“アイドルの鑑”そのもの。嵐の再始動がなかなか実現しない中、二宮さんの活動によってつなぎ止められている嵐ファンも少なくないはず。忙しすぎて心配になってくる部分もありますが、ここまで完璧な動きをしていれば、今後はもっと支持が広がっていくと思いますね。そうなれば、バラエティ界での“天下獲り”もいよいよ現実味を帯びてくるのではないでしょうか」(大塚氏)
大物不在のバラエティ界で頭角を現す二宮和也。クリーンで完璧なアイドルが、さらなる高みに向かっている。
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(取材・文=サイゾーオンライン編集部)