"残酷な天使のテーゼ"が流れる理由とは? 「Q」と「シン」を詰め込んだ「NIKKE」エヴァコラボ第2弾 異例の展開を振り返る

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2025年03月16日 19:03  ねとらぼ

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ねとらぼ

ストーリーが進行するとどんどんヤバイ感じになっていく空と海と敵

 リリースから2年以上が経過、2周年のイベントや正月のイベントも個人的には大変楽しく盛り上がれた「勝利の女神:NIKKE」ですが、3月早々に2回目になるエヴァンゲリオンコラボが開催されました。


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 NIKKEのコラボの中では過去最長最大だった前回に比べ、今回は通常の大型イベントとしての開催。期間も3週間となっています。限定キャラの実装も通常のコラボイベント同様の2種と前回に比べて若干小規模になっているように思えるのですが、そもそも「2回目のコラボイベント」を半年ぶりに開催するというのは今までプレイしてきたスマホゲーでは聞いたことがありません。


 しかも、前回のイベントはほぼ全て読み返せるようになっています。また、前回のコラボガチャやコーデも復刻しているため、ガチャ画面もすごいことに。エヴァコラボはどんなものだったのか、そしてこんな短期間でなぜエヴァコラボを連発してきたのか、今回のイベントを振り返りつつ自分なりに考えてみました。


 今回のイベント開催時、アップデートが終了してアプリを立ち上げると流れてきたのが「残酷な天使のテーゼ」でした。エヴァの曲としては確かに有名な曲かと思うのですが、テレビ版の曲という印象がありました。


 そのため、眼帯のアスカが赤い海をバックに立つタイトル画面に流れるこの曲に「なぜ……」と思うとともに今回のコラボの先行きが不安になったのは正直なところです。ですが、プレイしてその不安は解消されました。


 コラボイベントを開始してすぐ分かるのですが、新しいコラボシナリオ最大の特徴は、エヴァンゲリオンそのものも現れること。前回はパイロットが直接使徒を模した存在と戦うため「これはいくらなんでも無理がある」と思っていたのですが、ここが解消されていただけでもだいぶプラスの印象がありました。


 3部作になったためかやや冗長な展開や、ニケたちがプレッシャーからの逃げ出したりと変な形で原作と同じような展開になってしまった前回のコラボに比べ、今回のイベントはオリジナル色が強いものでした。個人的にはその辺りも評価の対象となっています。


 今回のイベントストーリーでは、海上に現れ海を赤く染めた「幻影」と呼ばれるエヴァンゲリオン13号機によく似た存在と、同時に現れた新2号機αとMark9、そしてパイロットのアスカとアヤナミレイ(仮)が登場。ヴンダーとともに現れた彼女たちを救出し、ニケの海上部隊を率いてともに敵に立ち向かうというものです。シンプルではありますが、純粋にエヴァが同等の存在と戦うという物語は前回の不満を吹き飛ばしてくれるに十分でした。


 しかも、後半はマリと8号機も登場します。事前のイメージアートには一切登場を暗示するものがなかったのですが、前回コラボで実装されたキャラにもかかわらず、新キャラ達と同様の課金衣装が実装されているのです。「なんでマリだけ復刻なのに新衣装が?」でスルーしてしまっていましたが、それがストーリー上の再登場フラグだったとは想像もしていませんでした。


 ニケのコラボは、ゲートキーパーという存在が異世界のデータを複製したもの。そのため、複製されるたびに新規の存在が現れ、今回のアスカも前回の記憶はまったくない様子でした。ですが、マリだけはなぜか前回の記憶を持っています。コラボ続編とはいえそういう存在が現れ、前回のコラボとの橋渡しをしていたのは大変興味深いです。今後のコラボにもそのような展開があるのではと期待もできました。「そもそもなんで記憶が継承されているのか?」という疑問はあるのですが、そこは「マリだしなあ」で納得してしまう部分もありました。


 ストーリーだけではなく、ミニゲームも見下ろし型の2Dシューティングゲームとなっており、射撃訓練をモチーフとした前回のミニゲームとは段違いの面白さでした。なお、ストーリー上は「故障したMark9をヴンダーにぶら下げて敵を迎撃する」という強引な建付けでミニゲームの理由付けを行っています。ただそんな強引なネタでもゲームは面白かったので許してしまいたいところ。


●ミニゲームには不満も?


 一方でミニゲームの難易度には意見が分かれるところがあるとは思いました。ハードモードをある程度まで進めないと全報酬が確保できないのですが、苦手な人ではそこまでたどり着けないのではという難易度。また難易度以前の問題として、新劇場版ベースらしく赤い海を背景に戦うのは良いのですが、敵が赤い弾を撃ってきます。自機はMark9、8号機、新2号機αから選べるのですが、新2号機αは自機が赤い上に自分も近距離に集中した赤い弾を撃ちます。この状況で敵の弾を見極めて回避するのがたいへんつらく、ここは本当にテストプレイしたんですか? と思わされたところでした。


 全体的に良かった部分が多かったためちょっとミニゲームの難易度への不満が目立ってしまいましたが、そこを除けばおおむね満足なコラボでした。


 ここまでプレイして、なぜコラボが半年で2回も行われたのかを考えてみました。前回と今回のコラボシナリオを総合して考えると、前回が「『序』と『破』」今回が「『Q』と『シン』」のコラボのように思えます。そのため「エヴァコラボをやる」という話になったとき「1回ですべての要素は出来ない」と考え、このような形になったのではないかと考えました。


 前回の式波が若干惣流っぽい描写だったのも、今回のコラボでは「シン」に出てきた式波っぽい描写になっているため、あえてそうしたのかなとも考えられます。アヤナミレイ(仮)の方も普通の綾波とは異なり、「Q」以降に出てきた自我がない存在がニケ達とのふれあいで人間性を得ていく描写も短いながらしっかりと描かれています。なお、「シン」要素については13号機以外にもシューティングゲームのおまけに「異空間に吸い込まれたニケがテレビスタジオのような場所で髪の長い少女に出会って出口を教えてもらった」という小ネタが入っています。


 なおこちら側の中心になる海上戦力部隊のリーダーなのですが、最初のガチャで実装されており、最近ものすごく強化された上、主人公とのただならぬ仲が公表された存在でもあります。ついでにシャワーシーンまで劇中で披露し、そのシャワーシーンは今回の課金衣装と徹底したサービスキャラとなっており、このあたりはちょっと謎です。ちなみにハードクリア後に実装されるエピローグでもメチャメチャ目立っており、アンタ人様のコラボでそんな自分のアピールして! という気分でいっぱいです。


 それはさておき、物語としては「エヴァ的な存在をアスカ達の協力で撃退し、アスカたちは消えていった」という形できれいに解決しました。さすがに今後エヴァコラボがまた来るかどうかは分かりませんが、前回のラストとは異なり、万が一次があっても楽しみにできるとは思っています。また、次のコラボとしてはPlayStation 5でSHIFT UPがリリースした人気作品「ステラーブレイド」が確定しているため、いろいろな意味で期待しています。双方プレイしている方ならお分かりかとお思いますが、気になる共通点が結構あるので楽しみで仕方ありません。


(ライター:怪しい隣人)



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