ハワイの街中で外来種を探したら…… 大繁殖中の“ヤバすぎる”生き物の姿に「こんないるの!?」「かわいいのになぁぁぁ」

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2025年03月27日 22:03  ねとらぼ

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ハワイの街中で外来種を探したら……

 米ハワイのオアフ島で外来生物を探す様子が「こんないるの!?」「生命力の強さ感じます」とYouTubeで話題です。動画は、記事執筆時点で13万回以上再生されています。


【画像】ヤバすぎる生き物(全体)


 動画を投稿したのは、YouTubeチャンネル「ちゃんねる鰐」の鰐(わに)さん。「深谷爬虫(はちゅう)類館」(埼玉県深谷市)の館長を務めており、YouTubeには飼育している生き物たちの様子や、野外での生物採集の様子を投稿しています。


 以前には鰐さんがエミューとバトルする様子が話題になりましたが、今回はハワイのオアフ島でありとあらゆる外来生物を探す様子を見せてくれるようです。


 鰐さんによると、ハワイには多くの爬虫類が生息しているとのこと。しかし固有種はおらず、現在生息している爬虫類の多くはさまざまな国からやってきた外来種なのだとか。まずは、ハワイの爬虫類事情を探るべく外来生物を探しにいくようです。


 早速、街中にある公園のような場所で外来爬虫類を探していくことに。木の幹を見てみると、そこにはハワイで最も目にする爬虫類だと思われる、キューバやバハマ原産の小型トカゲ「ブラウンアノール」の姿がありました。


 ブラウンアノールは自分の体色をある程度変えられるほか、警戒心が強く、すばしっこいため捕獲は難しい。そう話しつつ、鰐さんは1匹のブラウンアノールを捕獲し、その喉にあるカラフルな袋を見せてくれました。オスはこの袋を伸び縮みさせることで、威嚇やメスへのアピールを行うそうです。


 ブラウンアノールは、今のところ日本ではまだ定着していないとのこと。しかし、近い仲間である「グリーンアノール」は沖縄に定着しており、ブラウンアノールも定着してしまう可能性があることから、まとめて特定外来生物に指定されているそうです。


 続いて、マダガスカル原産の外来爬虫類「ヒロオヒルヤモリ」を発見。体は金色の模様がある緑色で、目の上には青色、鼻先には赤い横線が入るという特徴的な見た目をしています。このトカゲは名前の通り、昼間に活動する昼行性なのだといいます。


 日本ではペット向けに流通していて、ハワイでは建物の壁やガードレールなどの人工物の上でよく見かけたとのこと。ハワイで2番目によく見る爬虫類だと思われるヒロオヒルヤモリは、1匹見かけたら近くに複数匹いることが多かったそうです。


 ヒロオヒルヤモリに続いて3番目によく見かける爬虫類は、日本でも外来種として定着している「ホオグロヤモリ」だろうとのこと。このトカゲは夜行性で、夜のショッピングモールの駐車場にいたところを撮影したそうです。


 別の日、鰐さんは観光地である「マノアの滝」を見るためのハイキングコースにやってきました。こちらにはアフリカ原産の「ジャクソンカメレオン」が定着し、在来の虫などを食べてしまうと問題になっているのだとか。しかし、目撃情報はあっても生息数は多くないのか、丸2日かけて探しても見つからなかったそうです。


 設置されている看板によると、この周辺には南米原産の熱帯魚やヤドクガエル、オオヒキガエルなども定着してしまっている様子。ヤドクガエルも探したけれど見つからなかったそうですが、あらためて人間が持ち込んだ生き物の多さに驚きますね……!!


 続いて、街中の公園にある池をのぞいてみると、そこにはアフリカ原産の「ティラピア」をはじめ、北アメリカ原産の「カダヤシ」、南米原産の「グッピー」、中央アメリカ原産の「モーリー」など、あらゆる外来魚が悠々と泳いでいました。


 この公園にはネズミ駆除のために移入された哺乳類の外来生物「マングース」も生息しているとのこと。在来の貴重な昆虫を食べてしまうと問題になっているマングースはかなり数が多いようで、朝散歩しているだけでも10匹ほど見かけたそうです。


 なお、この公園ではマングースだけでなく同じく外来哺乳類であるネコも見かけたとのこと。鰐さんによると、ハワイのような島国はもともと生き物の種類や数が限られているため、外来種の敵となる生き物がいないパターンも多いのだとか。


 ハワイには外来種の昆虫も多いようで、木の上には「ココナッツカブトムシ」を捕らえるためのトラップが仕掛けられていました。このカブトムシはヤシの木を食い荒らし枯らしてしまうと問題になっているそうです。


 さらに、木の上を観察していると、ゴキブリに寄生するハチ「エメラルドゴキブリバチ」の姿もありました。このハチはかつてゴキブリ駆除のため人為的に移入されたそうですが、結局うまくいかなかったのだとか。


 また、鳥類にも外来種が多く、街中でおそらく最も見かける「チョウショウバト」も豪州から移入された外来生物とのこと。その他にも南米原産の「コウカンチョウ」、牧場の害虫を駆除する目的で移入された「アマサギ」、南米原産の「キンノジコ」など、多くの外来生物の姿を見かけたそうです。


 空港の中にある庭の池を見ると、そこには外来生物であるカダヤシ目の魚と、おびただしい数のオタマジャクシの姿がありました。このオタマジャクシは、もしかすると「世界の侵略的外来種ワースト100」にリストアップされているオオヒキガエルかもしれません。


 その後、海に潜ってみたところ、「ツノダシ」をはじめとした熱帯魚のほか、世界最大のナマコ「オオイカリナマコ」、固有種の「グリーンライオンフィッシュ」「ハワイアンダッシラス」「サドルラス」など、さまざまな魚を見ることができました。


 4日ほど生き物を探し歩いた結果、「ハワイの島の雰囲気や外来種のラインアップが沖縄に似ている」と感じたと話す鰐さん。まだ沖縄に入っていないけれどハワイで定着している生き物は、沖縄に放されたら定着してしまう可能性があると感じたそうです。


 あらゆる場所で外来種が定着しないよう、飼っている生き物は決して逃がさないようにしなければならない。今回の旅で、あらためてそう感じたと語る鰐さんなのでした。


 ハワイに生息する外来生物紹介に、コメント欄では「凄いですね」「外来種多すぎだろ」「かわいいのになぁぁぁ」「キレイで魅力的な生き物ばかりですが、外来種パラダイスだったんですね。勉強になりました」「いたら良くないのでしょうが、適応して繁殖する姿には、生命力の強さ感じます」といった声が寄せられています。


 鰐さんは、YouTubeチャンネル「ちゃんねる鰐」のほかにXでも生き物に関する情報を発信しています。


動画提供:YouTubeチャンネル「ちゃんねる鰐」



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  • 「オスはこの袋を伸び縮みさせることで、威嚇やメスへのアピールを行うそうです」人間のオスにもいそう
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