記者会見する国際賢人会議座長の白石隆・熊本県立大特別栄誉教授(中央)ら=31日午後、東京都渋谷区の国連大学 「核兵器のない世界」への道筋を国内外の有識者が議論する国際賢人会議の最終会合は31日、東京都内で2日間の日程を終え、閉幕した。2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け、長崎を最後の被爆地とする責任があるとして、核戦争回避への緊急行動を呼び掛ける提言をまとめた。
座長を務めた白石隆・熊本県立大特別栄誉教授は閉幕後の記者会見で「核兵器の使用は破壊的な結果をもたらしかねない」と語った。
提言は核兵器を巡る危機が過去数十年で最も高まっており、通常戦争の拡大が核使用に発展するリスクが深刻化していると指摘。基本原則として(1)領土の現状変更を行わない(2)国際法を常に順守する(3)核兵器国には特別な責任がある(4)多国間主義を支持する(5)核への依存を減少させる―の五つを明記した。核実験禁止の堅持や、核兵器の材料となる物質の生産一時停止などの具体策も盛り込んだ。

「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議メンバーの表敬を受ける石破茂首相(前列中央右)=31日午前、首相官邸