ロート製薬のロゴ 英投資ファンドのアセット・バリュー・インベスターズ(AVI)がロート製薬に対し、成長事業への集中など企業価値向上に向けた戦略の見直しを求めていることが8日、分かった。注力した再生医療分野で成果が上がらず「株価が低迷している」と指摘。株主との対話も要求し、前向きな回答が得られない場合は、6月の株主総会での株主提案など議決権行使も辞さない構えだ。
AVIは「物言う株主」として知られる。昨年6月にロート株を取得し、直近で2%強を保有。同社について、目薬や化粧品分野での競争力の高さを評価する一方、近年力を入れている再生医療分野では投資に見合った収益を生み出していないとしている。ロート株については、本来1株6000円超の価値があるはずで、足元の2000円台前半の水準は「同業他社と比べても大幅に割安」と訴えている。
AVIは、ロートの再生医療事業に関して、期限を設けた上で、一定の収益を見込めなければ縮小や撤退などを検討するよう提案。また、ロート経営陣は面談を求めても十分に応じないとして、「株主との対話に後ろ向き」と批判している。
ロート製薬は取材に対し、AVIからの要求について「コメントできない」としている。