皐月賞に出走予定のサトノシャイニング(c)netkeiba 本記事ではnetkeibaオリジナルAIが推奨する本命候補3頭を特筆すべき過去の傾向とともにご紹介します。
今週の重賞競走は土曜日にアンタレスS(GIII)、日曜日に皐月賞(GI)と福島牝馬S(GIII)が行われます。その中から中山競馬場で行われる皐月賞を取り上げます。まずは過去の傾向から。
過去10年の皐月賞での前走着順別成績を見ていきます。過去10年の皐月賞では前走で2着以内だった馬が10勝2着9回3着8回と圧倒的な成績を残しています。同世代の一線級が相手となる皐月賞ですから、前走で連対し能力の底を見せていないことが好走条件のひとつになるのでしょう。
一方、前走で3着以下だった馬は2着1回3着2回。複勝率5%、複勝回収率38%と厳しい結果になっています。馬券に絡んだのは21年ステラヴェローチェ、18年サンリヴァル、17年ダンビュライト。この3頭は朝日杯FS(GI)、ホープフルS(GI)のいずれかに出走した経験があり、そのレースで5番人気以内の支持を集めていました。人気になるのはそれに見合う実績のある馬と言えそうですし、前走で3着以下だったとしてもGIのようなハイレベルなレースで上位人気になったことのある馬には注意した方がよさそうです。
続いては、過去10年の皐月賞における前走人気別成績です。過去10年の皐月賞では前走で5番人気以内の馬が9勝2着9回3着9回と良績を残しています。前走で上位人気に支持されているのは、それまでの実績や近況に優れた点がある証拠と言えます。実績馬や近況好調馬が順当に力を出し切っているとも言えるかもしれません。
前走で6番人気以下だった馬は1勝2着1回3着1回と苦戦しています。3着以内に好走したのは24年コスモキュランダ、20年ガロアクリーク、16年ディーマジェスティ。この3頭に共通するのは前走で重賞を勝っていたことです。前走が人気薄でも重賞で勝利し高い能力を示している馬には注意が必要と言えるでしょう。
それでは早速ですが、今週の皐月賞でAIから導き出された月曜日時点での本命候補3頭をご紹介します。
◆世代屈指の能力を示す3頭
サトノシャイニング
ここまで3戦2勝2着1回。負けたのは2走前の東京スポーツ杯2歳S(GII)。レースではスタート直後に落鉄していたようですし、逃げたことで勝ち馬のいい目標になってしまったことも敗因のひとつ。勝ち馬はホープフルSでも優勝したクロワデュノール。アクシデントがありながらもGI馬と僅差の競馬をしていますし、負けはしましたが能力の高さを十分に示す一戦だったと言えます。
前走のきさらぎ賞(GIII)ではそれまでの前へ行く競馬ではなく、中団を追走する形になりましたが、道中はスムーズに走れていましたしセンスの高さを感じさせます。直線では大外から豪快な伸び脚を見せて、残り200m過ぎで先頭へ立ち3馬身差で快勝。特筆すべきはその時の相手でしょう。2着は桜花賞(GI)で3着に入ったリンクスティップ。3着馬のランスオブカオスは次走のチャーチルダウンズC(GIII)で優勝。そのほかにもその後の重賞で好走している馬がいますし非常にレベルの高い一戦。そこで快勝しているのは素直に評価するべきでしょう。今回はGIでさらに相手は強くなりますが、本馬の能力ならば十分に通用するはずです。
ジョバンニ
ここまで5戦2勝2着3回と連対率100%を維持する本馬。昨シーズンはホープフルSで2着に好走するなど、世代トップレベルの能力があることを十分に証明する結果を残しています。デビューからすべて上がり2位以内の脚を使っており、安定した末脚も本馬の魅力のひとつと言えそうです。
前走の若葉S(L)は相手に恵まれたこともあり断然人気での出走。結果はクビ差での勝利。相手関係を思えばもっと楽に勝っても不思議はなかったですが、レースはスローの上がり勝負で差のつきにくいペースだったので仕方なし。他馬からマークを受ける立場にいながらも、きっちりと勝った点を評価すべきでしょう。今回はGIメンバー相手で一気に相手強化ですが、休み明けの前走から状態は上向いているでしょうし、力を出し切れば上位に食い込んでも不思議はありません。
クロワデュノール
昨年は東京スポーツ杯2歳Sで重賞初制覇を飾ると、その勢いで挑んだホープフルSでも優勝し最優秀2歳牡馬の栄誉を手にした本馬。ホープフルSは2着のジョバンニが若葉Sで優勝。3着のファウストラーゼンが弥生賞(GII)で勝利。4着ジュタは若駒S(L)で有用するなど上位馬がその後も活躍。さらに11着だったマスカレードボールも共同通信杯(GIII)で勝利していますし、非常にレベルの高いメンバーが集まった一戦。そこで2馬身差をつけて快勝しているのは、本馬の能力が抜きんでている証拠と言えそうです。
ホープフルS後は早々に皐月賞への直行を明言。最近は前哨戦を使わずに本番へ向かう馬が多いですし、ここ10年の皐月賞では20年コントレイル、19年サートゥルナーリアが同じローテーションで勝利していますので何の不安もないでしょう。この中間も順調に乗り込まれているようですし、自身の力を出し切れば自ずと結果はついてくるのではないでしょうか。