警視庁本部=東京都千代田区 東京都中野区立の保育園で園児に暴行を加えたとして、警視庁中野署が暴行容疑で、元保育士の60代の女を書類送検したことが16日、同署への取材で分かった。容疑を認め、「保育の一環でやった」と供述しているという。
送検容疑は2月20日午前11時〜午後2時15分ごろ、中野区立の保育園で、園児1人に対し、尻をたたいたり、脚を引っ張ったりするなどの暴行を加えた疑い。
園児にけがはなかったが、同署は起訴を求める「厳重処分」の意見を付けたという。
同署によると、女は3月に依願退職した。同署は区から相談を受け、今月9日に女に任意で事情を聴いた。
区は同日、不適切保育があったと公表。昨年6月〜今年2月、送検容疑のほかに、▽園児が座る直前に椅子を引いて転倒させる▽園児の上着をつかみ、持ち上げて移動させる▽園児の頭をたたく―などの行為が確認されたという。
区によると、女は2022年度にも別の区立保育園で不適切保育を行ったとして、厳重注意を受けた。区は再発防止のため、職員への研修を強化するとともに、区立保育園への巡回指導の回数を増やすなどとしている。
酒井直人・同区長の話 非常に重く受け止めている。二度とこのような事態を招かぬよう、徹底して再発防止策に取り組む。