石破首相、早期首脳合意目指す=安全保障が懸念材料に―日米交渉

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2025年04月18日 07:31  時事通信社

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時事通信社

日米交渉に関し、記者団の質問に答える石破茂首相=17日午前、首相官邸
 政府・与党は米国の関税政策に関する担当閣僚間の日米交渉の結果を「1回目としては成功」(小野寺五典自民党政調会長)と前向きに受け止めている。トランプ大統領は日米協議が「最優先」だと表明。石破茂首相はこれに呼応して早期に訪米し、交渉妥結を急ぎたい考えだ。ただ、トランプ氏は交渉を安全保障問題と絡める姿勢も見せており、先行きには不透明感も漂う。

 首相は17日、訪米中の赤沢亮正経済再生担当相から交渉結果の報告を受けた後、首相官邸で記者団に「次につながる協議が行われたと認識し、評価している」と表明。その上で「閣僚級協議の推移を見ながら、私自身、最も適切な時期に訪米し、トランプ氏と直接会談する」と語った。

 トランプ氏が「私も会談に出席する」と表明したのは日本時間の16日夜だった。首相は林芳正官房長官らを公邸に急きょ集め、対応の検討に追われた。しかし、終わってみれば、赤沢氏はトランプ氏と50分間、ベセント財務長官らと75分間会談。トランプ氏は赤沢氏とのツーショット写真をSNSに投稿し、「大きな進展だ」と強調した。

 米大統領が日本の閣僚に対応するのは極めて異例。首相周辺は「通常の外交儀礼ではあり得ない対応だった。相手の真意をつかむのが今回の主眼だったのだから、よかったのではないか」と指摘。外務省幹部も「米国が考えていることも、考えていないことも分かった」と語った。

 首相は交渉結果を踏まえ、交渉カードの洗い出しを急ぐ方針。トランプ氏の前のめりな姿勢から、政府内には「最後は首脳間で決着させるしかない」(関係者)との見方が広がっており、首相は訪米のタイミングを探る構えだ。

 もっとも、交渉では懸念材料も浮かび上がった。米側の具体的な要求は明かされていないが、トランプ氏は会談前に「日本と関税、軍事支援の費用、貿易の公平性について交渉する」と投稿し、安保を議題とする考えを示唆。会談後、為替と安保に話が及んだか記者団から問われた赤沢氏は「為替については出なかった」と繰り返し、安保への言及を避けた。

 政府関係者によると、トランプ氏は赤沢氏との会談で「対日赤字は1200億ドル」「日本には米国車が走っていない」などと根拠不明の不満を述べた際、「(日本の)軍事(貢献)はゼロ」と語ったという。

 政府内では「経済面の譲歩を引き出す材料だろう」(関係者)とみる向きもあるが、高官は「実際に安保を絡めてくると厄介な話になる」と身構える。事実上の交渉期限と目される「相互関税」第2弾停止の期限は7月前半。外務省幹部は「いよいよ始まりだ」と表情を引き締めた。 

このニュースに関するつぶやき

  • 米国の繁栄は半世紀以上続く、世界戦略に支えられてる部分も多く、我が国は極東の重要な要で、断じて一方的な依存では無い。たかが四年しか続かぬトランプが決める事では無いとはっきり言うべき
    • イイネ!23
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