「PTAの雑用は男性には頼めない」「会長以外はみんなママ」 “思い込んでしまった”性別役割に反響「令和なのに根深い」

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2025年04月24日 07:10  まいどなニュース

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PTAの役員、気づけば女性だけで…(いらすとや)

「PTAのそんな雑用は男性には頼めないから、ここは私たちでやりましょう」「お宅は女の子だから老後の心配がなくていいわね」「女の子が理学部なんてやめなさいよ、将来苦労する」 

【写真】PTAの役員や係は必要だと思いますか?

「これ、ぜんぶママ仲間から出た発言ですから。ぜんぶ令和に入ってからですから。いろいろ根深いよね」 

2人の子どもを育てるhahaha|ブランクから子育てしながらのキャリア再形成さん(@YokoBlankCafe、以下hahahaさん)は、ママ友たちとの会話でこれまで何度もこのような言葉を耳にしてきました。子どもを育てる母親自身に、性別による無意識への思い込み(アンコンシャス・バイアス)があるのではないか?とSNSで問いかけると、共感の声や自身がそのような言葉を言われた、という人も。

新学期に入り、PTA活動も本格化するタイミング。PTAの集まりでは、そのメンバーが子どもの母親ばかり、というのはよくある光景です。「ちょっと問題提起をしてみようと思いました」と話すhahahaさんに取材しました。

PTAの仕事は女性向け? 疑問も抱かない現状に…

冒頭の3つの発言を聞いたのはそれぞれ違うシチュエーションで。「ママ友ランチや、PTAの作業をしながらの雑談、といった日常会話の中で、なにげなく聞いたもので、発言した人はそれぞれに違います」。しかし、年齢は50歳前後(プラスマイナス5歳くらい)、仕事は扶養内パートか専業主婦という共通項があることに気付きました。「子どもの性別は異なっていましたし、単なる偶然かもしれませんが」。

その際、周囲に数人の子育て中の女性がいましたが、その発言が議論を呼ぶことはありませんでした。「なんとも思っていなさそうな方と、“むむ”っとちょっと引っかかっている感じの方と、両方いました。でも、“そんなことないと思います”などと指摘する人はゼロでした。私自身、遠回しに“それは男女関係ないと思いますよ”と言ったこともあるものの、うまく伝えられた自信はないです」。

今回のhahahaさんのXでの投稿には、PTAについて反応する人も多く「PTA、会長以外みんなママ。男性には入りづらいのかな?男性会長のうちに新しい男性メンバー入って欲しい」「女性の強固な性別役割分業意識の方がジェンダー平等を阻んでるよね」といった意見が寄せられました。 

また、日常のさまざまな場面で、「男の子だから」「女の子は」などのフレーズに遭遇した人からは、
「クラスの父母会で、うちは男の子なんですけど文系なんです、って恥ずかしそうに言うママがいて、は?? 男子で文系の何が悪い」
「お宅は女の子だから、と本人の前でジジババが口を滑らせまくったせいで、大学入学とともに東京に逃げ、二度と帰ってこない姉」「死んだ母親も兄貴達に手伝わないと文句をいいながら(←私はいいのか?)“お兄ちゃんは長男だから”」
といった、経験談もありました。

そんな反応に対して、「好意的なコメントというか、やっぱり今でもそうだよねというがっかり感のあるコメントも多く、同じことに違和感を持つ人がいるのは嬉しかったです」。

結婚後の退職→専業主婦を経てパート→正社員とキャリアを積み重ねてきたことから、復職をめざす女性やキャリアアップを目指す女性を応援するメッセージを発信しているhahahaさんですが、性別における役割の思い込みの解消は簡単ではないと感じることも。

「次世代には引き継ぎたくないのに、自分自身でもまだまだ、“女性だから”“男性だから“としてしまうときがあります。感度は高くしておかないと、と思いますね。でも、子ども世代はかなりフラットになってきていると思います」。

◇ ◇

現在、PTAの活動には、共働き、少子化、先生の人手不足や働き方改革などの影響も。また、かつてのルールを意固地に守り、スマート化や効率化を阻止する人がいるなど人間関係が難しいこともあるでしょう。

そんなPTAに対して、調査(※1)では「憂うつと感じる(やや感じる人)」は約9割ながらも、「子どものことを考えると必要だと思う(部分的に必要だと思う)という人」は約8割。

必要とはわかっていても約半分は「役員や係をやりたくない」。しかし、肯定的にとらえる人の中には「役員をやれば学校の様子もわかるし、子どもたちについて真剣に向き合うことができるので、いいこともたくさんある」「経験が自信になりそうだし、頑張っている自分を子どもに見せたいというのもあるので、立候補はできないにしてもジャンケン等で当たってしまったらチャンスだと思ってやり遂げたいです!!」という意見もありました。

ただ、現実的に難しい側面もあり、「今どき多くのご家庭が共働きで時間がないと思います。 とはいえ、先生にすべての役割を担わせるのも業務範疇から外れると思っていて、役員・係は必要だと思うので、シルバー人材などをうまく活用すべきではないか?と感じます 」「共働きが多くなった現代のニーズに合わせ、最低限の役割分担かつ公平性にておこなうべきだと思います」と、PTAの変革を求める意見もありました。

少しでも次世代の子どもが生きやすくなるように、親世代も意識を変えていくことが求められています。

(※1)
調査タイトル:「役員・係」に関するアンケート
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2025年3月12日(水)〜3月19日(水)
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用した方
調査条件:1人以上お子様がいらっしゃる方(326人)

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)

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  • ドイツ語教室で、コーヒータイムの後片付けで「男の人はそんなことするもんじゃないわよ」という言葉にムカついたことがある。
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