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2025年04月24日 12:51 ITmedia Mobile
2025年4月、国内キャリア2社が衛星とスマートフォンの直接通信に関する発表を行った。KDDIと楽天モバイルだ。KDDIは10日の社長就任会見で、サプライズとして「au Starlink Direct」のサービス開始を発表。同日から利用が可能にした。
au Starlink Directでは、SpaceXのStarlink(衛星)を活用し、「多くの人が頻繁に立ち入らない山間部や海上など、残り4割あるとされるエリアの穴」をカバーする。KDDIの松田浩路社長は、「料金は当面の間無料」としている。
iPhoneでは、対象端末でキャリアプロファイルのアップデートを適用。Androidでは、OSとメッセージアプリの「Googleメッセージ」を最新の状態にして、デフォルトSMSアプリに設定することで利用を開始できる。
一方、楽天モバイルはau Starlink Directほどの詳細を発表せず、福島にいた社員と東京の会見場にいた三木谷浩史氏社長が、市販のスマートフォンを用いて直接ビデオ通話を披露。「アンテナの大きさにより、アンテナの小さいスマートフォンでも、つながりやすい」とする優位性をアピールした。
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●au Starlink Directは衛星と通信しているかどうか分かるが、楽天モバイルは切り替わっても分からない
au Starlink Directでは、「空が見えればどこでもつながる」(松田氏)ようになり、2GHz帯の周波数を活用して、スマートフォンと衛星が直接通信する。対応機種はGalaxy、Xperia、iPhone、Pixel、AQUOS、TORQUEなど50機種で、
ただし、衛星とやりとりができる場所でも、スマートフォンが地上基地局の発出するau 4G LTE/5Gでつながりつづける環境下にあると、au Starlink Directを利用できない。
完全に圏外になった場所かつ、空が見える場所で衛星とやりとりができる環境にいなければならない。端末右上に表示されるアンテナピクトに衛星のアイコンまたは文字が表示される。
一方、23日の会見で、“つながりやすさ”をアピールした楽天モバイルの「Rakuten最強衛星サービス」は、どのような環境でつながるのだろうか。
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楽天モバイル 先端技術開発統括部 ヴァイスディレクター ハ ヒョンミン氏は、「ユーザーは基本的に衛星と地上の差を感じずにつながるようになる」とし、「従来の基地局でカバーできる場所では基地局と通信し、圏外エリアで衛星がカバーできる場所では衛星と通信する」と話した。
同氏は、地上の基地局から衛星との通信に切り替わる際の挙動について、「ハンドオーバーするイメージ」とする。三木谷氏は「(従来の地上基地局の)電波が弱くなってきたら自動的に、何もせずに、衛星マークが表示されることもなく、知らないうちに衛星につながっている(と接続している)」と補足し、ユーザーが気付かないほどスムーズに接続できるイメージを伝えた。
ただ、実際にどの程度の速度で基地局から衛星との通信に切り替わるのか、また遅延がどの程度なのかは、実際にサービスを使わなければ分からないだろうが、三木谷氏の発言を聞く限りは、スムーズに切り替わるのかもしれない。
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